第217話 ガステア専用の搭乗型ゴーレムの素材には謎金属を使用する事にした。

 ガステア専用の搭乗型ゴーレムの素材には謎金属を使用する事にした。

 謎金属は普段はくすんだ金色に銀が混じったような色をしているのだが、雷の属性を持たせた魔力を流すと、綺麗な金色になる。

 そこで流す魔力を勝手に雷の属性に変換する魔法陣を組み込んだ。これは例え火属性の魔力を流しても勝手に雷属性に変換されるので、赤や黒に変色させる事は出来なくなる。何故そんな事をするのかと聞かれると、本人の意向である金色で固定するためでしかないので、いわば只の趣味だ。

 ところで、今まで謎金属は火の魔力で赤くした時、風の魔力で緑にした時、水の魔力で黒にした時、それと元のくすんだ金色の特性は判明していたが、雷属性の魔力で金色にした時と、土属性の魔力で茶色にした時の特性は判明していなかったのだが、今回のガステア機の製作中に、金色状態の時のとある特性がある事が判明した。

 それが金色状態の謎金属に魔力を流し続けると薄っすらと発光を始め、その状態だと、金属についた傷が自動で修復するという事だ。

 ちょっとした実験をしてみた結果。これは最初に雷の魔力を流した時の形状を再現するものらしく、元のくすんだ金色の時に受けた傷などは再生しないようだ。

 ちなみに、その状態だと変形を阻害するらしいので、発行状態だと変形は出来ないが、魔力を抑えれば良いだけなので問題は無いだろう。


 それと、金ピカゴーレムを作っていると昔が懐かしくなったので、ガステア機には魔法吸収では無く反射の魔法陣を描き込んでみる。

 そこでふと思ったのだが、もしかしたらガステアならば反射の方向を計算して狙った場所に跳ね返せるのでは?いや、流石に無理か。


 いつものようにパーツ毎に作って最終的にそれをゴーレム魔法で組み立てて完成だ。


 全長14メートル重さ約21トンの巨躯が黄昏時の空を背景に金色に輝く姿は中々様になっている。


 実は先日までガステアにはパワードスーツゴーレムタイプの試作機で毎日変形を繰り返して貰っていて、変形を補助するAIも既に完成している。


 という事でさっそく遠隔で動かしてみる。


 機体は垂直に上昇して地上50メートル程度で止める。そこで瞬時に戦闘機形態へと変形して一気に前進。おっと、一応この機体は500メートル先まで遠隔で操作出来るがあまり離れすぎると危ないので注意しないとな。


 くるりとUターンした機体はやや高度を落としつつ人型に戻ってゆっくりと着地した。


 くっくっく、ガステアのおかげで俺にも自由に変形が出来るようになって嬉しい限りだ。これからもデータが欲しい時には彼に頼むのもありだろう。

 彼としても新しいゴーレムで遊べて嬉しいはずだ。


 作り始めて僅か12日での完成となった。

 うーん、我ながら早すぎてちょっと心配である。これでも何度もテストを行っているので安全であると思うのだが。

 もしかして魔力値が10万ぐらいになったら3日ぐらいで作れるようになるのだろうか?……ちょっと気になります。山羊頭は復活するらしいけどドラゴンも復活しているのだろうか?コーネリアの話しでは1人で戦うと魔力値が大幅に上がったらしいので、1人でドラゴンを倒し続けたら10万ぐらいにはなるのではないだろうか?

 ああ、でもそうすると搭乗型ゴーレムすら生身で倒せちゃいそうで嫌だな。

 それで思い出したが、ガステア機の出力強化は3段階に分かれている。

 魔力値で20ぐらいで発動する従来の出力強化。発動に200ほど必要な強化版、2,000以上必要なフルスロットル版。

 この発動に必要というのは最初にそれだけの魔力が必要で、使い続けるにはまた別に魔力が必要となる。大体1時間で発動に必要な魔力値と同じぐらいの量を消費する。ちなみにミスリル製のヨルレア・フェーレだと消費する魔力がとんでもない事になるので使用できない。

 ガステアには出来ればフルスロットル状態で3時間は遊べる魔力量(出力強化以外の消費魔力も加味して大体10,000程度)を手に入れて欲しい。


 という事で完成したガステア専用搭乗型ゴーレムを彼に譲渡する日が来た。

 場所は王都郊外にあるヨルレア・フェーレを保管していた倉庫のような場所だ。といっても次元収納からガステア機を取りだすのは倉庫の前の開けた場所だが。

 現在はヨルレア・フェーレも次元収納に格納されているので、修理やメンテナンス以外の時は空らしい。


 さっそく次元収納から取り出したガステア専用搭乗型ゴーレムを彼に披露する。


 「おおお!こ、これが私の専用機!!ああ、感動です!有難う御座いますアーバン殿!!」


 「私の方こそ、ガステア殿に取って頂いたデータは大変参考になっております。これからも是非ご協力を願います」


 「勿論です!」


 俺たちは熱い握手を交わした。


 「そ、それで、この機体の名前は?」


 「え?あ、ああ、私は名前を考えるのが苦手でして、渡した相手に名付けを任せる事が多いのですが、ガステア殿は希望される名前は御座いませんか?」


 「……お、お恥ずかしながら私も名前を考えるのは苦手です。ここは是非生みの親であるアーバン殿にお任せしたいのですが」


 「う~ん、そうですね……」


 ……ガステアくん1号とうかどう?駄目ですね、聞くまでも無く分かります。

 

 そう言えば、黄昏時に佇む金色の機体を見た時に映えるなぁ…なんて考えたな。


 「トワイライト・ゴールドで如何ですか?」


 「あ、有難うございます。ではこの機体の事はトワイライト・ゴールドと呼ばせて頂きますね!」


 う、うーん、自分の考えた名前を目の前で復唱されるのは何か恥ずかしいな。


 ガステアは名前にそれほど拘りがないタイプみたいだし、俺も名前を考えるのは苦手だし、こんな物だろう。


 いっそ名前考える担当で第3王子にでも任せればよかったかな。


 「それで、トワイライト・ゴールドとはどう意味なのですか?」


 ……意味を聞く前に承諾するあたり、本当に名前には興味薄いんだな。

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