第71話 扉型次元収納の魔道具のデザインについて話し合ったあと、昼食を頂いた。

 扉型次元収納の魔道具のデザインについて話し合ったあと、昼食を頂いた。


 その後ひたすらに侯爵夫人であるニーナから質問攻めにされた。


 最初は扉型次元収納とナイトロードに対する報酬の話から入った。ナイトロードは卒業祝いにプレゼントしたものだし、扉型次元収納はそれを収納するプレゼントボックスの様な物なので報酬は要らないと断ろうとしたのだが、それでは侯爵家としての威信にかかわると言われ渋々扉型次元収納の報酬だけ受け取ることになった。提示された金額はとんでもない巨額でいくらなんでも多すぎると言ったところ、国お抱えの魔道具師たちに注文してもこのぐらいの金額になるし、完成まで2ケ月以上の時間が掛かるだろうと言われた。

 ぼったくり過ぎでは?使用料を払いたくないと渋ってた貴族の気持ちもちょっと分かる。あと2ケ月も掛かる理由はゴーレム魔法を使わずに丁寧に装飾したりするんだろうから、その辺の問題だろうか?では値段もデザイン料?貴族の考えることはよう分からん。あ、俺も貴族だった。

 

 その後ちょっとした世間話を経ての質問攻めだ。

 グランシェルド家の事や今までに開発した魔道具の事、魔法剣が作れることに興味を持たれたり、幼少期の家庭教師であるオリビエ先生の事、他の家庭教師についても多少聞かれたり、婚約者はいるのかとか、恋人はいるのかとか、幼少期に社交に姿を見せなかった本当の理由は?だとか、女性の趣味、果ては好きな食べ物まで兎に角根掘り葉掘り聞かれた。

 なぁにこれ?


 最初はコーネリアとサリーとチラズもいたのだが、途中で執事に呼ばれて部屋を出て行った。

 ズルいぞチラズ君、そこを代われ。


 その後夕食をとり漸く解放された。

 巨大な浴室でチラズと一緒に入浴を済ませた後、漸くお楽しみのロボット談義タイムだとワクワクしていたら、ニーナが部屋にやって来て質問攻めの続きが始まった。

 流石に夫人が1人で若い(とは言っても子供だが)男の居る客室にくるのはまずいのかメイド2人と執事1人を連れていた。


 またも長時間、根掘り葉掘り聞かれ、どっぷりと夜が更けた頃、彼女は漸く部屋を出て行った。

 さて、今度こそチラズとロボット談義だと彼の方を確認すると、彼はもう既に夢の中だった。


 なんか思ってたお泊りと違う。

 え、明日もこんな感じ?


 俺はげっそりしながら布団に潜り込んだ。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る