第65話 護衛の騎士を黙らせた後、
護衛の騎士を黙らせた後、第4王子に1人で奥に進むか、黙って付いてくるか尋ねたところ、彼は黙って付いてくる方を選択した。
その後、生徒たちの護衛をしながらダンジョンの入り口に向かっているのだが、居るわ居るわ。モンスターがうじゃうじゃ湧いてる。1匹みたら100匹いると思えとは正にこんな感じだろう。王子の提案通り護衛を外していたら全滅も有りえただろう。責任を被ってくれた教師に感謝しながらツヴァイとドラゴレイムで道を切り開きつつ進む。というか戻る。
数時間後、ようやくダンジョンの入り口に着いたのだが、ここでもまた別の問題が発生した。
「そ、そんな……」
生徒の1人が絶望で声を漏らした。
突入するときに撤去した筈の土砂が、再び入り口を塞いでいたのだ。
「これは……中から爆破したようだな」
教師の1人が壁を調べながら呟いた。
爆裂魔法を使用するモンスターでも現れたのだろうか?遭遇しなくて助かった。
「グランシェルド、申し訳ないがまた頼めるだろうか?」
俺たちと一緒に突入した教師が俺に尋ねると、状況をしらない生徒と教師が俺を見て来た。
正直しんどい。
が、泣き言も言っていられない。最後のひと踏ん張りだ。がんばろう。
「わかりました。外で土砂を撤去している人間がいるかもしれないので、念話で離れるように伝えて貰えますか。あと、中の皆さんも離れてください。チラズ君はドラゴレイムで後方を警戒して」
説明すると、各々が動き出した。
教師の念話が終了したのを確認してからゴーレム魔法で土砂の撤去を始めた。
突入するときと同じ手順で、ゴーレムを作って土砂を隅に退ける。
それを繰り返して、人が通れるようになったのは4度目のゴーレムの時だった。
正直魔力はスッカラカンだ。体力的にも限界が近い。
突入時よりも土砂が残っていて足場の悪いなか、何とか外に出ると、待っていた生徒たちが駆け寄ってきた。中には脱出組の生徒と抱き合って泣きじゃくっている生徒も見受けられる。少し前までの俺なら、自分はクラスメイトにすら友達がいないのにと嫉妬して事だろう。魔道具研究部の友達になれた今は、素直に彼らの再会を祝福できそうだ。
それにしても疲れた。ツヴァイやドラゴレイムが戦っている姿を見れたのは満足だが、面倒事はごめんだ。ゴーレムだけ弄っていたい。
今日はしっかり休んで、明日からはまたコーネリア専用の搭乗用ゴーレムを作って遊ぼう。
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