第66話 無事にコーネリアたちを救出後、 

 無事にコーネリアたちを救出後、俺とチラズは町の宿屋に一泊してジェットパックに乗って先に学園に帰った。ちなみに他の生徒たちは遠征の行事用に作られた宿泊施設に泊っている。第4王子たちもそこに宿泊しているが、王子と護衛たちの部屋は分けて教師たちがそれぞれ監視をしていた。


 ジェットパックに乗って移動中、武装して移動している騎士の集団の頭上を通過した。おそらくダンジョンにある町に向かっているのだろう。


 学園に着いた俺たちを待っていてのは、ほっぺたをパンパンに膨らませて、怒りをあらわにしたサリーだった。ちょっとかわいい。


 「なんで私が怒ってるか分かる?」


 どうやら彼女を置き去りにして、俺とチラズの2人で救出に向かった事を怒っているらしい。

 自業自得とは言え、「お姉ちゃんを助けてくれてありがとう」からのほっぺにちゅ☆的な展開をちょっぴり期待していた俺としては、しょんぼりな結果だ。


 俺とチラズは正座で30分お説教を食らった。

 チラズは完全に俺の巻き添えだな。ごめんよチラズ君。

 最後に涙を浮かべたサリーにありがとうと言って貰えたので、全て良しとしよう。

 ほっぺにキスは無かったけどね。


 その後、第5王子こと生徒会長に生徒会室に呼び出され、またも説教を食らった。

 外出届なしでの無断外出と無断欠席についてだ。

 普通こういうのは教師から説教されるものなのでは?と尋ねると後で教師からもお叱りがあると言われた。ならばこのお説教は二度手間では?と思ったが賢明な俺は口をつぐんだ。

 ひとしきり説教を食らった後、今回の生徒たち救出の功績が、魔道具研究部の功績として認められると教えられた。魔道具研究関係なくない?とも思ったが魔道具タイプのゴーレムを使って戦ったので問題ないだろうと思う事にした。

 報酬として、部費の更なる増額と、グラウンドの一部を魔道具研究部が使って良い事が決まった。やった、これで日中も搭乗用ゴーレムの調整が出来る。


 職員室でも教師たちに説教を食らった。

 散々説教をされた後で、感謝の言葉も同じだけ貰えた。

 聞いた話では、ダンジョンで第4王子に逆らった教師には何のお咎めもなさそうだという事だ。表向きはあそこには第4王子なんて居なかったという事になるのだろう。良かった良かった。

 それと、今回の事で生徒たちの親から礼金が貰えるとの事、国を介してになるので入金は10日後程度だそうだ。


 最後に反省文用の原稿用紙を各々10枚ずつ渡されて、退出を許された。

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