第64話 第4王子が急にモンスターが出現した原因を突き止める為に奥に進むと言いだした。
第4王子が急にモンスターが出現した原因を突き止める為に奥に進むと言いだした。
俺の目的であるコーネリアの救出とは関係ないので、勝手にやってくれと言ったのだが。
「アーバン=グランシェルド並びにチラズ=ノートはゴーレムと共に私の護衛をしろ。これは王族としての命令だ」
チッ、こいつまだ廃嫡してなかったのか。
とはいえ、流石に魔力の残りも少ない。態々第4王子のお守りなどしてられないので、反論させて貰おう。
「王子の目的は元ご学友の救出では?ここで彼らの護衛を外すのは本末転倒です」
「だからこうして途中まで護衛しただろうが。彼らのもとに駆けつける時はモンスターはあらかた片付けながら来たのだ。帰りは安心だろう。そんな事より原因を究明せねば、また何時どこからモンスターが湧くか分からん。安全を確保するためにも先に元凶を叩くべきだ」
何を言ってるだコイツ?言ってることが支離滅裂だ。
あと、モンスターを片付けたのは俺とチラズだし、お前は護衛したんじゃ無くて、されてた方だろうに。
「お言葉ですが。いつどこからモンスターが湧くか分からないのならば、尚更彼らの護衛は外せないでしょう。第一原因なんてすぐに分かるものでしょうか?後日調査団を派遣した方が良いのでは?どちらにしろ一度彼らをダンジョンの外まで送り届けるべきです。その後でもう一度ダンジョンに入れば良いのでは?それでもどうしても今すぐ調査したいというのであれば、第4王子と騎士の方々のみで勝手に行ってください」
「ぐっ!貴様はどうしてそう反抗的なのだ!?理由なんぞどうでも良いだろうが!もう一度言うぞ、これは王族としての命令だ!貴様に拒否権などない!」
め、めんどくさい。
「第4王子はまるで、今回のモンスター出現の理由をご存じで自分が赴けばそれを排除できるとお考えの様に見えますね」
教師がそんな事をいうと、目に見えて第4王子の表情が変わった。
「な、何を言っている?!そんなわけ無いだろう……」
「では、根拠も目的の場所も分からずタダ闇雲に原因を探すと?」
「う、うるさい、うるさい!!王族とは天に選ばれた人間なのだ。そんな私が赴けば自ずと原因の場所に辿り着くに決まっている。貴様らは黙って命令に従え!」
とんでも理論迄飛び出したな。なんでそんなにダンジョンの奥に行きたがるんだ?危険なのは王子にとっても同じはずなのに。
「天に選ばれたならば護衛など付けなくとも無事に辿り着けることでしょう。というか、貴方は本当に第4王子なのですか?」
「な、なんだと?」
「第4王子は城で病気療養中のはずです。こんなところに居られるハズがありません」
「だ、だからそれは嘘で、私は病気などしていない」
「では益々貴方が本物の第4王子である筈がありませんね。それが嘘であれ本当であれ、王が発表した正式な発表を嘘だなどと、まさか王子本人が仰るわけがありません」
「な、なにをごちゃごちゃと――」
「故に彼らが貴様の命令に従う必要などないと言っている!」
今まで丁寧に対応していた教師が急に声を荒げた。
「き、貴様!一介の教師風情が!!王子である私にそんな口を利いてタダではすまんぞ?!」
「逮捕でも免職でも好きにすれば良い!ただし、ここから無事に脱出した後でな。私には教師として生徒たちを無事に脱出させる義務がある!グランシェルドとノートに頼りっきりでこんな台詞を言うのは情けないがな」
と、こちらを見て苦笑を見せる教師。
いえいえ、十分に恰好良いですとも。
「こ、この野郎!おい、お前等!この愚か者を痛めつけろ!王族に対する不敬罪だ!!腕の1本や2本折っても構わん!!」
第4王子の命令で騎士たちが剣を抜いたので、ツヴァイの木剣で気絶させておいた。もちろん魔法剣は発動させていない。
安心せい、みねうちじゃ。
峰なんて無いんだけどね。
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