第63話 ある程度モンスターを片付けると、

 ある程度モンスターを片付けると、前方の方がなにやら騒ぎになっているのが聞こえた。どうやらチラズ側にもモンスターが出た様だ。

 急ぎ残りの敵をツヴァイで片付けて、援護に向かう。


 「お、おい!話が違うぞ!!何故Aランクモンスターが此処にいるのだ?!」


 第4王子が何やら騒いでいる。

 見ると王子の視線の先にはドラゴレイムと対峙するジャガーノートの姿があった。

 ふむ、話が違うとは?もしかして王子は崩落の話しか聞いていなかったのか?或いはBランク指定のモンスターが現れたと聞いていたからAランク指定のモンスターが出るとは想定外だったのかな?


 チラズがドラゴレイムの胸部から炎の渦、いや、ドラゴフレイムを放つがジャガーノートの腕の一つ、水の属性を持つそれが放ったパンチで相殺されてしまった。


 「チラズ君。そいつに遠距離の魔法は効きにくいらしい。接近戦でゴリ押して!ドラゴレイムのパワーなら問題ないはずだ」


 「はい!」


 チラズからは良い返事が返ってきたが、他の面子は懐疑的だ。


 「ば、馬鹿か貴様ら!?相手はAランクモンスターだぞ?!ゴーレム如きの攻撃がまともに通る筈ないだろ?!ゴーレム……だよな?」


 第4王子の言を無視して、チラズがドラゴレイムを突っ込ませる。

 ドラゴレイムが装備している大剣でジャガーノートに斬りかかるが、ジャガーノートはそれを腕の一つで弾いて見せた。少しばかり傷を付けれているが、ダメージと呼べるほどの物では無い。


 「ほら見ろ!!真面に攻撃が通らないではないか!」


 王子うるさいな。


 しかしなんでだ?ただの槍でも貫通したのに。

 ん?ただの槍?


 「ああ、そうか。チラズ君、魔法剣が効きにくいんだ。ドラゴレイムの体には硬化の魔法が掛かっているから、拳でぶん殴って」


 「え、ええ?!殴るんですか?」


 「剣が効かないのに拳など効くわけが無いだろうが!」


 う~ん、折角換装用の武器も作ったのに全部効きそうにないな。まさか魔法剣が裏目に出るとは。

 こんな事なら硬化の魔道具化した無属性の武器も作って置くべきだったな。


 「や、やってみます!」


 「やめろ。やるだけ無駄だ」


 それにしても本当にうるさいな、王子。


 「ドラゴナックルゥ!!」


 チラズが叫びながらドラゴレイムの拳からパンチを繰り出した。

 絶対技名今考えたでしょ?

 良いノリだ!流石チラズ君。


 ジャガーノートはドラゴレイムのパンチに合わせて自身も拳を繰り出す。アレはどの属性の腕かな?


 ドゴン!と凄い音を立てた、その拳同士の勝負の行方は、ジャガーノートの腕が消し飛ぶと言う形で決着が付いた。


 「「「えええええええ!?!?!?!?!」」」


 このリアクションにも慣れて来たな。

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