第61話 「ア、アーバン=グランシェルド?!何故貴様がここにいる?!」
「ア、アーバン=グランシェルド?!何故貴様がここにいる?!」
コーネリア先輩たちと合流後、俺たちは閉じ込められていた生徒たちを連れてダンジョンの入り口に向かって引き返していた。ちなみに、コーネリアは武術部の先輩に背負って貰っている。
そんな時入り口方面から見知った人物がやってきた。元生徒会長の第4王子だ。
会うのは俺を無理やり生徒会に入れようとした時のイザコザ以来だ。
ちょっと親御さんに叱って貰おうと告げ口したら思ったより重い処分になったので若干後ろめたい気持ちもある。
「第4王子?貴方こそ何故こんなところに?確か謎の奇病の療養の為王城に隔離されているのでは?」
「そんな訳あるか!!貴様のせいで自室に軟禁されていたのだ!」
軟禁って、城とは離れたダンジョンにいるじゃん。
後、他の生徒たちの前で大声で王族側が正式に発表している内容を否定するなよ。馬鹿なの?
「そうでしたか。それで?何故この【試しの遺跡】に?自分は不測の事態で閉じ込められた友人を救出に来たのですが」
「むっ―――貴様もか。私とてそうだ。旧友たちの危機を聞きつけ精鋭を率いて助けに来たのだ。さぁお前たち!私が来たからにはもう安心だぞ!!」
第4王子が芝居がかった口調で語る。
「精鋭を引きつれて……ですか?」
「ん?それがどうかしたのか?」
俺が問いかけると第4王子が不思議そうに首を傾げた。
「いえ、それにしても数が少なすぎる気がして」
「ふん!量より質なのだ。10人もいれば問題ない」
こちらを見下す様に語る第4王子。
「10人?自分には第4王子を含めて4人にしか見えませんが?」
「何?」
第4王子が振り向いて数を数える。
「お、おい!!他の者たちはどうした?!」
いや、1人2人ならともかく半数以上数が減ってて気づかないなんてことあるか?どんだけポンコツなんだよ王子。
「わ、わかりません!至急念話で連絡を取ります!」
騎士の一人が念話の魔法を使用した直後―――
―――ゴォオオオオン。
ダンジョンの入り口の方から地響きが聞こえ、地面が揺れた。
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