第58話 ツヴァイとドラゴレイムを先頭にズンズンとダンジョンを突き進んでいく。

 ツヴァイとドラゴレイムを先頭にズンズンとダンジョンを突き進んでいく。

 モンスターを発見し次第2体のゴーレムが片っ端から片付けていく。ちなみに、ツヴァイは名前の由来になった二刀流では無く、片手には盾を持たせている。25cmほどあるのでツヴァイの体には少し大きいその盾は、硬化の魔法の効果がある魔道具で、風の魔法剣の斬撃にも耐えられる仕様になっている。先行させている目的が敵の排除だけではなく、敵の攻撃も引き付ける役割も兼ねているのでこの装備が最適だろうと持たせたものだ。

 なお、ドラゴレイムは両手剣装備だ。体がデカいのでボディをそのまま硬化の魔法陣を描き込めたので、胴体そのものが魔道具になっている。


 しかし、こんな事になるならコーネリアにも盾も渡しておくべきだった。彼女は剣に拘りがあって、なんとなく盾を持つことを嫌う傾向にあるような気がして遠慮したのだが……胸当てとかなら問題なかったかな?ちらりと武術部の5年生を見ると、制服に剣と鉄の盾、又は槍を持っているだけで、鎧らしきものは装備していない。魔法部の先輩は短刀と皮の盾だ。うーん、やっぱり胸当ても目立つか?というか幾ら雑魚モンスターしか出ないと言われてたからといって軽装過ぎないか?あ、俺もだった。いや俺は緊急事態だったし……

 コーネリアは卒業したら騎士団に入団すると言っていたので、そうしたら鎧を着るだろう。その時は入団祝いに鎧を魔道具化しようかな?いや、国の備品になるのか?駄目かな?どちらにしろ無事に帰る必要がある、先を急ごう。


 さらにズンズンと突き進む。今のところ出てくるモンスターは、元々このダンジョンに生息していた雑魚モンスターばかりなのだろう。ツヴァイとドラゴレイムが1撃で屠れるので問題なくサクサク進めている。事前に調べた情報だとスライムとかソルジャーアントが多くいると書いてあったが、殆ど見かけていない。代わりに見かけるのは影のお化けみたいなヤツだとか、おっきいトカゲみたいなヤツだとか、頭が2又の大きい蛇だとかだ。多分、新たに出現したBランク指定のモンスターに元々生息していた場所を押し出される形で表層に出て来たのだろう。そしてスライムなどはこいつ等に食われて数が減っていると。


 「し、信じられん……」


 同行している教師がポツリと呟いた。

 やはり、彼からしてみてもこのモンスターたちは本来この場所には居ないようなモンスターなのだろう。


 それにしても数が多い。既に50以上のモンスターを倒した筈だ。


 コーネリアたちの元に現れたというBランク指定のモンスターもかなりの数だと聞いている。こんな数のBランク指定のモンスターを相手にするのは厳しそうだ。これは合流出来たらさっさと撤退した方が良いだろうな。

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