第40話 2週間後、チラズ専用スーパーロボット型ゴーレム【ドラゴレイム】(命名チラズ)が完成した。
2週間後、チラズ専用スーパーロボット型ゴーレム【ドラゴレイム】(命名チラズ)が完成した。
戦わせるときにサイズ差で有利不利が生まれないように、50cm程度を想定していたのだが、アレコレ付け足してたらあれよあれよとデカくなってしまい、完成時の大きさは約80cm。それと背中に換装パーツであるジェットパックを背負わせると、もう少しデカくなる。ジェットパックを合わせた重量はなんと100kg越え。
想定よりもかなりデカくなってしまったが出来栄えには満足である。
「す、凄い!かっこいい!!」
チラズも気に入っている様である。はやりキミは見どころのある男だよチラズ君。
軽くドラゴレイムの性能を紹介しよう。
メインウェポンは大剣だが、大斧とハンマーに換装が可能だ。
大剣には風、大斧には水、ハンマーに土とそれぞれ違った魔法を纏わせている。
胸部のドラゴンの顔を模したパーツからは火炎渦の魔法が発動する魔道具を埋め込んでいる。まさにドラゴンが放つ炎のブレスと言った感じだ。
試作品であるジェットパックだが、一応空を飛ぶことが出来る。フライングボードの魔道具に改良を施し、積載可能重量を増し、風の魔道具と組み合わせる事で100kgを越える機体も空を飛べるようになった。のだが、ジョイント部分がもろく、無理な操作をするとすぐに壊れる。100kgの機体が空から降ってくるのは普通に恐怖なので、急ぎ改修が必要だろう。
もともとゴーレムの操作が可能な距離の限界の問題もある。一応俺の作るゴーレムは100メートル程度なら離れていても問題ないが、それ以上離れると動かせなくなる。
とはいえ一応完成はしたので早速俺のゴーレムとドラゴレイムを戦わせてみることにした。
「そういえば、アーバン先輩のゴーレムには名前は無いんですか?」
戦いの前にチラズがそんな事を尋ねて来た。
「うぐっ」
何を隠そう俺にはネーミングセンスが無いのだ。
こうなったらチラズに付けて貰おうか。
「実は俺は名前を考えるのが苦手なんだ、なにか良いアイデアある?」
「いやぁ、例えどんな名前でも自分でつけた方が愛着が湧くと思いますよ」
ごもっとも。
どうしようかな……
俺はチラリとゴーレムを見る。
白を基調にした細身の機体。
手には何かカッコ良い剣。
そして現在はそれを2本持たせている。
これはコーネリアの騎士ゴーレムと差別化をはかるため、二刀流にしてみようと、チラズのドラゴレイムを作っている最中に思いついて急遽持たせたからだ。
二刀流か。
そういえばドイツ語で2をツヴァイっていうのちょっとカッコ良いって思ってたんだよな。……本当、変な事は覚えてるな。
「それじゃあ、ツヴァイっていうのはどうかな?」
「ツヴァイですか、カッコ良いですね。どういう意味なんですか?」
「どこかの国の言葉で2っていう意味があるらしいよ。ほら、このゴーレム二刀流にしてみたから」
「へぇ!良いと思います」
うむ、我ながらこれはなかなか良いネーミングなんじゃないのか?
チラズに褒められた俺はまんざらでも無いのであった。
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