第6話 8歳になりマナーの授業も始まった。
8歳になりマナーの授業も始まった。2時間程度の授業を週3回、一般教養の授業と魔法の授業を足しても前世の義務教育の時間にすら及ばないので問題ない。
今は授業以外の時間の殆どを魔道具、もといゴーレムの為の勉強に割いている。
流石にオリジナルのゴーレムとまでは行かないがゴーレムに使われている魔力回路(一般に魔法陣と呼ばれる物)の改造なども出来るようになった。
魔法陣を読み解けるようになって分かったのは、材質を石以外の物にすることは難しくはないという事だ。ただ、戦場などでもっとも確実に、かつ簡単に手に入る素材という事で選ばれただけだろう。とゴーレム関連の書物に描いてあった。
「それだけの魔法の才能を持ちながら、魔道具師を目指すのは少々勿体なく感じます」
とは最近のオリビエ先生の口癖だ。先生はどうやら褒めて伸ばす方針の様だ。
俺は浮遊魔法で林檎を浮かせながら答える。
「いつか自分だけのオリジナルゴーレムを造るのが夢ですからね」
マナーの授業の一環という事で、敬語を自然に使えるようになった。正直子供らしく話すのは1年たってもしんどかったので助かる。
9歳になり馬術と剣術の稽古が始まった。流石に詰め込み過ぎだと思うのだが、貴族の子供は10歳になると王立学園に入学する決まりがあり、それに間に合わせる必要があるのだ。
オリジナルゴーレム造りに関してはそこそこ順調だ。
9歳の誕生日に両親におねだりして、庭に工房を建てて貰った。工房と言ってもプレハブ小屋の様な粗末な造りだが結構気に入っている。
そこで先ず2メートル程度の木で出来たゴーレムを造ってみた。
木は加工してかなりロボット然とした姿だ。着色とかはしていないので木目が丸見えだけど。
魔法陣の改良も進んでいる。ある程度複雑な命令もこなせるようになった。
右手には剣(木製)を持たせ、左手には魔法銃(木製)を持たせている。ちなみにこの魔法銃も俺が作ったもので、銃口から風の弾丸を打ち出す。最初は火球を打ち出したのだが何発か売ったら銃に燃え移って黒焦げになってしまった。
ゆくゆくは人が乗り込めるようにするのが今の夢だ。とオリビエ先生に力説すると乗り込める必要がありますか?と首を傾げられてしまった。……ロマンなのだよ。
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