見える子と魔女と■/06-01

「……神社?勝手に住んでるの?」

「ははは、勝手には住まんよ。駅から山にくる途中に立派な神社があっただろ?昔あそこの神主にお役目を終えてお休みなっている社をがあるからと勧められてな。それから長年住まわせてもらってる」

「そんな神聖な場所を借りれるなんて知らなかった」

「普通は借りれんだろうな。まあドーラは寝床の代わりに周囲の治安を守ってる」

「治安?」

「変な物の怪が出ないようにしたり、この一帯を災難さいなんから守ってる」

「まるで神様みたい。……もしかして」


 私は思った事を口にした瞬間冷静になった。

 もし神様に対して散々ふざけた口を聞いてばちが当たらないかと冷や汗が出てきた。


「ははは、ドーラ達は崇拝されるようなことは無い。あの神社には元から崇拝されている立派な奴が居るしな。さあ、それより」


 ドーラは笑いながら否定し先に歩き社の扉に手をかけあけた。


「戻ったぞ」

「お邪魔します」


 ドーラのあとを追うようにして私は木々で覆われた社の中を目にした時言葉を失った。

 外観は社と言うだけあって和風なのに室内は洋風のテーブルや家具が並べられていて、私は社から別次元へ飛ばされたのかと驚いたが、よくよく奥部屋を見ると畳が見え室内を改築したんだと分かり安心した。


 和風の外観だけれど洋風の室内は自然光が差し込み何処か不思議な空間に私は周囲を見渡す。

 室内に電灯はあったが自然光だけで、少しだけ暗くよく見えなかったが、徐々に目が為れ始めると同時に部屋の奥から扉が開き、これまた外観とはかけ離れたブロンド髪の不機嫌な少女が現れた。


「エルシィ何処へ行っていたんだ?」

「ドーラ。さっき起こす為だけに、私にしたことを思い出しなさい」

「はぁ……。一度は声かけたが反応せんかったから、顔を飲み込んでみた」

「!?」


 聞きなれない言葉に驚く。

 ドーラは人を食べないと言ったが人を飲み込んだ事実に私は内心焦った。

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