第10話 実家との確執と出世


 イラ共和国の使者が訪れてから3ヵ月が経った頃に一つの発表が有った、それは俺が大尉に昇進した事で俺の事も実家が問われたことで最近よく出世しているグラントとは我が家の4男らしいと言う事を認識したせいだった、長男が現在中尉(25才)だし次男(23才)が少尉だし3男(20才)がまだ軍曹だったから一番の出世が4男に成ったのだ、ドドゴア・ホイトンはこの機会に4男との確執を解消して置こうと接触して来たが合えないでいた、それはグラントと家の確執を理解していた隊長ルゴイア・アランタが上手く合わせないで良い様にしていたからだ、因みに序でと言っては悪いが隊長も中佐に成っていたのだ、周りからは良い部下を持って幸せだと羨ましがられたが彼の同期では一番の出世頭に成っていた、ルゴイア・アランタ隊長はグラントは今密命を受けて他国に行って居ると言ってドドゴアに密命なので詳しくは言えないと言って取り合って居なかった。


 そんなオヤジだから俺が家を持って居る事など思いも拠らないのか其方には顔を出さなかった事に安堵した、俺はまだ18才だ役職は大尉に成ったが親からすれば子供だまして3人の息子もまだ独身だった、まさか4男が家を買い女を住ませているとは夢にも思わないに違いないしそこまで真剣に俺を探す気も無いのだろうと言う事に思い至った、親は長男にユリナ・ヨ-ロンを娶らす積りだったがユリナが賢者のスキルを得て王都の学院に入った時点で諦めていたので次が見付からない、ユリナ・ヨ-ロンも今年卒業なのだが賢者は卒業と共に大尉に成るので位は相手が上に成る諦めるしか無かった。


 オリコト・ホイトンも23才に成るが相手がいないし長男が一人身なので次男には回って来ない、父親が騎士爵か男爵の次女か3女を探すが適齢期の女性が居ないので伯爵家に見付けて欲しいと泣きついていた、3男のケビン・ホイトンは気楽な立場を利用して魔法使いの部隊で女を見付けていたが上の二人を差し置いて結婚する訳には行かなかった、そんな時の4男が大出世を果たしたが何故か家に寄り着かないのが自分たちの所為だと言う事に未だ気付かずにいるドロゴア・ホイトンは奴もここ迄は何かのラッキ-で出世したがあのスキルではこれ以上は無理だろうと踏んでいたのでこれ以上手間を掛ける積りは無かった。


 ドロゴア・ホイトンが家に帰ると妻も娘達に迎えられて答えた、グラントには会えなかったが奴のあのスキルならこれ以上の出世は無いだろうと伝えた、妻はそれで納得したが長女は納得して居なかった撫でなら彼女はグラントの不思議さが気に成っていたのだ、13才でダンジョンに潜り魔物を刈るし冒険者ギルドでのグラントの評価を知って居たからだ、彼女は時々自分が作ったポ-ションを下ろしに行って居たのがその理由だった、グラントは13才でDランク冒険者に成って居た筈でギルド始まって初の事だと言う話を聞いていた、後方支援のスキルだけでそんな事はとても無理だと言う事も知って居た、冒険者の話をポ-ションを下ろす序でに聞いていたが偶に天のスキルを貰う前から生れ付き何らかのスキルを持つ者がいると言う事もギルドで聞いた話だ彼女は薬師をしながらポ-ションを売りお金を貯めて王都に出て見たいと秘かに考えていたのだ。


 ユキナ・ホイトンは何時王都に行くか悩んでいた、王都に行っても住む所が無いし伝手も無いただ王都に憧れだけが日々膨らんでいるのも今行かなければ後悔するかも知れない、ユキナは弟グラントが大尉に成ったと言う事は家で聞いていたが父親が尋ねて見たが部隊長に今秘密の任務に就いて居て留守で暫くは帰らないと言う事で会えづに帰って来たと言った、ユキナはグラントの隊長にあった事が有り彼女から見たルゴイア・アランタは可成りの人物と見ていて部隊の行進中に部下に声を掛けて居たのだがユニ-クな声掛けで部下の心をつかんでいた、そんなルゴイア・アランタが親と確執の有るグラントにまともに合わせるとは思えない作戦を練る事にした、ユキナは王都迄とに角出て来て第1部隊の隊長に面会して弟に家から昇進祝いの品物を預かって来た事を告げて家を訪ねた、弟は大尉だ兵舎には住んで居ないと踏んでいたのが正解だったし隊長もホイトン家の長女は見知っていたし奇麗な人だと言う認識が有ったのでうっかりと住所を教えて仕舞った。


 ユキナは隊長から聞いた家に向かっていたが如何して父親は兵舎に住んで居ると考えたのか疑問だった、少し考えればすぐに思い付くと思うのだが父親の思考に疑問を持ったのは正に今だった、弟の家は案外遠く既に夕闇が近づいて来て居たが見付けた家は大きくて一人で住んで居るとはとても思えなかった、とに角訪ねて見た玄関でノック用のトンカチが置いて居たのでそれで扉の下の金属で出来た所を叩いて見た、凄く大きな音がしていたが家の中の方が大きい様で誰が考えたのかと思ったが出て来たのは女性だった、ユキナはちょっと怯んだが切り替えて私はユキナ・ホイトンと言いましてグラント・ホイトンの姉ですと伝えると女性は少々お待ち下さいと言って中に戻り誰かを呼んでいた、多分隊長と言って居た様に聞こえたが直ぐにグラントが出て来て「姉さん良く分かったね」と言った、とに角入る様に言って呉れたのでユキナは遣れやれ何とかここで過ごせると安堵していた。


 弟にリビングの様な所に通されるとユキナは固まった、まるで何処かの王女様の様な綺麗で品の有る女性が此方を見つめてニコリと「いらっしゃいませ」と言ってくれたからだ、ユキナはグラントに尋ねて見た「この二人はグラントの何」とさっきから疑問が沸いて居たので聞かないと言う選択肢は無かった、グラントは事も無げにユキナに告げた「同居人」と簡単に告げながら「如何してここに来たの」と聞いて来たので本当の事を告げて見た、「私は家出して来たの王都で一旗あげたくて来て見たのよ。ここで暫く厄介になりに来たのよ」と事も無げに答えた、そして王都で第一部隊の隊長に会いグラントは家を買い其処に住んで居ると踏んで弟の家を教えて欲しいと言うとルゴイア・アランタ隊長は直ぐに教えて呉れたと言うのでグラントは聞いて見た、「ユキナ姉さんは隊長を知って居たの」と聞くと「知って居たが話した事は無い」と言った、すると姉が作戦を練ったと言ってそれを実行すると隊長は直ぐに教えて呉れたと言った。


 来てしまった者は仕方が無いが「ユキナ姉は如何して生活をする積りで来たの」と聞くと、「忘れたの私は薬師よポーションを作れるし他の薬も作れるのよ十分生活は出来るわ」と言っ「成る程それは分かったが何処で生活をする積りだったの」と聞くと「もちろんここで暮らす積りで来たのよ。父が部隊を訪ねて留守だったと帰って来たが話を聞いていて疑問に思ったの大尉に成って兵舎に居るのかと思い隊長に会って弟に祝いの品を持って来たので家を教えて下さい。と言って見たらすぐに教えて呉れたのよ」と言った、グラントは成る程父親より頭が切れるし作戦勝ちだなと思った、

そんな事も有った次の日に隊長のルゴイア・アランタが訪問してきた、そして又思わぬ事を言いだした「グラント君は今度中佐に成ったこの前のイラ王国の戦果が評価された結果だ、これで私ともほぼ同じに成って来て第3部隊隊長に任命されたよ君はもう中佐殿だと言いながら、ユキナの方を見てユキナさん私と共に来てくれないか私の妻に成って呉れ」と言い出したのにはグラントも吃驚した。



 

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