4話:占奈さんの占い結果【靴】そして【幸せ】
僕は朝からソワソワしていた。待ち合わせ場所の駅前商業施設に向かう。道すがら、心臓の鼓動が早まるのを感じる。街路樹の緑が鮮やかで、夏の陽射しがやけに眩しい。
今日は、
待ち合わせ場所に着くと、すぐに
『おはよう、
『おはよう、
二人で水晶玉ショップへ向かう途中、僕たちは並んで歩いた。
『今日はね、いろんな種類の水晶玉が見られるお店に行くんだよ。私の紫色の水晶玉もね、そこから買ったの』
『紫色の水晶玉って、何か特別な意味があるの?』
僕は興味津々で聞いてみる。
『うん!紫色の水晶玉はアメジストって言って、精神の安定や浄化の力があるんだよ。私のお祖母ちゃんがね、この色が好きだったんだ』
僕たちが並んで歩く道には、夏の陽射しが降り注ぎ、街路樹の緑が鮮やかに揺れている。
『
僕たちはゆっくりと歩きながら、お互いの話に耳を傾けた。
このままずっと、
水晶玉ショップへ入ると、そこには大小さまざまな水晶玉が並んでいた。ガラスケースに反射する光がキラキラと輝いていて、神秘的な雰囲気が漂っている。
『見て見て、
「わあ、すごい……」
僕が驚きの声を漏らすと、
『どっちがいいと思う?』
僕は水晶玉を見比べてみたが、正直言って違いがよくわからない。でも、
『うーん、どっちも綺麗だけど……こっちかな?』
僕は左の水晶玉を指差した。
「これにする!天夜くんが選んでくれたんだもん。大事にするね」
僕たちは、選んだ水晶玉を大事に包んでもらい、店を後にした。
水晶玉を購入した後、二人でカフェに向かう。カフェのテラス席に座り、注文を待っている間も
「
「見えてきたよー! 靴! いいことあるよ~」
「靴……ありがとう、
だけど、
「靴でいいことって、例えば新しい靴を買うとか、靴がぴったり合って気持ちいいとか、そんな感じなのかな?」
僕が半ば独り言のように呟くと、
「うーん、どうだろうね。占いは必ずしも具体的じゃないから、色んな可能性があるんだよ。でも、
そうか、占いの結果は必ずしも具体的なことではないかもしれないけれど、それが僕にとっての楽しみでもあるのかもしれない。
ランチを終えて、街を歩いていると、
「
「うん……靴擦れしちゃったみたい……」
「せっかくのデートなのに、迷惑かけてごめんね。これじゃあ占いも外れたよね。全然いいことじゃない。ごめんなさい」
「
「行きたい」
手を差し出すと、
「ゆっくりでいいからね」
手を繋ぎながら、僕たちはゆっくりと歩き始めた。
ペンダントショップが近づくと、僕は
「ここだよ」
「
「これ、どうかな?」
僕が星の形をしたペンダントを手に取って見せると、
「本当に?私に?」
「うん、とっても似合うと思う。これ、プレゼントするよ」
僕がペンダントを手に取って渡すと、彼女の頬が少し赤くなり、瞳がさらに輝きを増した。
「ありがとう、
夕方の風景が美しく染まる中、僕たちは手を繋いで歩き続けた。
「最後に、もう一度占ってみるね」
「今日はね、幸せな日だったよ」
その瞬間、僕は彼女の手をぎゅっと握り返した。
「ありがとう、
僕はその言葉に感動し、心の中で叫んだ。
『今日は本当に幸せな日だったよ。
占い当たっているよ、
ありがとう。』
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