第24話

 オルトラム領への護衛の途中だ。俺たち4人は馬車の中にいる。探索魔法をかけ続けているのでいつ襲われても安心だ。それにしてもオルトラム領か、懐かしいな。ラムウだった頃の思い出が蘇る。皆元気だろうか。


「アインて貴族じゃないのか?貴族にしか見えないんだが…」

「農家の三男だ。実家を追い出されて冒険者になった」


 本当は貴族の長男だがアインの設定としては無難なところだろう。


「アイン恰好いいから私が彼女に立候補してもいいかな?」

「いや、俺はしばらくは女を作る気は無い」


 カレンが魅力的な提案をしてきたが断った。しばらくは一人でいいかな。


「敵だ。前方に15人だ」


 前方に人影あり。多分盗賊だろう。俺たちは馬車の外に出た。


「食料と金目の物と女を置いてけ。そうすりゃ命は助けてやるよ!」

「せいっ!」

「ぐわっ!」


 俺は盗賊の一人を斬り付けた。


「野郎!やっちまえ!」


 盗賊が襲い掛かってきたところをカウンターで首を飛ばす。5人死んだ。


「ファイヤーアロー!」


 カレンのファイヤーアローが1人倒した。残り9人。


「こいつ強いぞ!囲め!」


 囲まれたところを回転斬り、8人を倒した。残り1人。


「ひいい!助けてくれぇ!」

「助けることはできない。ふっ!」


 最後の1人も斬って盗賊は全滅した。


「いやああんたら強いねぇ。4人で大丈夫かなと思ったら大当たりだったね」


 ゲイツさんが拍手で迎えてくれた。まだオルトラム領は遠い。

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