第19話

 貴族学園にて。


「よう、メアリー。貴族になったようだな。おめでとう」

「ああ、騎士爵になった。ありがとう」


 バッカスに話しかけられた。


「ミリア殿下の護衛のメアリーが貴族になったんだって」

「すごい、騎士爵だって」


 俺が貴族になったことがクラスメイトにも知れ渡っているらしい。



 しばらくすると、教師が教室に入ってきて授業が始まった。


「今日は錬金術について教えます。ポーションを作りましょう」


 薬草をすり潰して魔力で出した水に漬け込むという荒々しい錬金術のようだ。えぐみの強いポーションができるだろう。ここまでなら誰でもできそうだが。


「自分で作ったポーションを飲んでみてください」


 うげぇ、鼻をつまんでポーションを飲み干す。苦い、青臭い。


「おえっ、お姉さまよく飲めましたね」


 ミリアがえづいている。ポーションを中々飲み込めないようだ。


「よくできました。それでは今日の授業を終わります」


 苦行が終わった。もうポーションはこりごりだ。



「なぁミリア、私護衛をやめて旅に出たい。せっかく貴族にしてもらったけどね」


 ミリアに辞意を表明した。


「えっ、ダメですよ。お姉さまと私はずっと一緒ですから」

「そっか、ずっと一緒か」


 困ったな。これじゃキャラ変更できない。王様に言ってみるか。

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