第18話

 しばらくして、俺たちがゴブリンと戦ったダンジョンはスタンピードを起こした。一時はダンジョン外に溢れるほどだった。だが、冒険者と騎士団が鎮圧したらしい。


「私たちが戦ったゴブリンもスタンピードの前兆だったのですね。お姉さまがいて助かりましたけど」


 現在、俺とミリアは王宮のミリアの部屋にいる。なんでも王様が俺に褒美をくれるとか。俺は制服のまま王様と会うことになった。


「一緒に行きましょう」


 ミリアと一緒に謁見の間へと行く。


「メアリーよ、よくぞミリアと隣国の王子を助けた。褒美は騎士爵でよいか?」

「いえ、爵位より金が欲しいです」


 爵位を持ってもキャラ変更で意味が無くなるし金のほうがいい。


「では、白金貨10枚を褒美とする。騎士爵もおまけでやる。今後はアムリス騎士爵を名乗るとよい」

「はっ、謹んでお受けいたします」


 爵位ももらってしまった。意味無いんだけどな。


「これで平民じゃなくなったので堂々としていられますね」


 堂々とミリアの護衛ができるようになったのか。


「メアリーよ、隣国の王子バッカスから迫られているそうだな」

「はい」

「隣国の王妃になる気はないか?」

「ないです」

「そうか、下がってよいぞ」

「はっ」


 王妃になんてなってたまるか。次のキャラ変更は男だな。俺とミリアは部屋に戻った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る