第14話

 今日は実技の授業だ。体育館に集合している。


「お姉さまは魔法はすごいけど剣術はどうなのかしら」

「剣術はあまり詳しくないですね」


 ミリアから期待されているが魔法以外は自信がない。でもパワードスーツを着ているからなんとかなるかもしれない。順番に呼び出されて試合が組まれるようだ。


「次、メアリーとバッカス・フォン・キングストン!」


 隣国の王子と試合だ。手加減したほうがいいんかな?木剣を手に取る。


「ミリアの護衛か、ちょうど邪魔だと思っていたんだ。来い!」

「行きます!」


 鍔迫り合いが始まる。力ではこちらが上回っているが。


「ぬぅっ、中々やるな」


 バッカスはバックステップで間合いを取る。突きによる攻撃が来る。


「そりゃそりゃそりゃ~っ!」


 全てかわす。反撃だ。ステップからの上段切りだ。


「せいっ!」

「ぬぅっ!」

 

 受けられた。力でぐいぐい押しまくる。


「おりゃぁ~っ!」

「ぬわぁ~っ!」


 そのままバッカスを押し倒す。


「ま、参った…!」


 しーんと静まり返る。


「お姉さま!やりましたね!」

「いい試合だった!」

「王子も頑張ったな!」


 賛辞を受ける。中々良い試合だったようだ。


「いい女だな。俺の嫁にならないか?」


 バッカスが告白してきた。この野郎恥ずかしくないのか?


「私はミリア様の護衛なのでお断りします」

「そうか、俺はいつでも待っているぞ。はっはっはっ」


 バッカスは高笑いしながら去っていった。実技の授業が終わった。


「お姉さまは私のです。誰にも渡しません」

「私は護衛なだけだぞ」


 ミリアが俺に抱き着く。

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