第12話

 貴族学園に王女の護衛として通うことになった。王家の馬車に乗って移動中である。


「緊張してますか?」

「それなりに緊張している」


 緊張していないかと言うと嘘になる。馬車が着いた。ぞろぞろと降りる。制服のスカートが短くて恥ずかしい。股がスースーする。


「股がスースーする」

「大丈夫です、私もです」

「その、入学試験とかは無いのか?」

「入学試験は無いですね。お姉さまも護衛なので無いです」


 入学試験が無いのは嬉しいけど平民である俺はいいのか?


「私は平民なのだが問題は無いのか?」

「多少問題はありますが、王女の護衛なので大丈夫です」


 やはり問題はあるのか。クラス分けはミリアと俺はSクラスだった。クラスに入ると挨拶される。


「ミリア殿下、ごきげんよう。クララ・フォン・タッタカです。よろしくお願いします。後ろの方は誰ですか?」

「ああクララ殿、この方は私の護衛でお姉さまよ」

「お姉さま?この方も王女殿下なのですか?」

「いえ、仮の精神的なものよ」

「ああ、そういうことですのね」


 今の説明でわかるんかい。


「クララさん。よろしくお願いします。メアリーです」

「メアリーさん、初めまして。よろしくおねがいします。メアリーさんは平民なのね」

「平民だと何かまずいですか?」

「いえ、ここは貴族学園なのでイチャモンつける貴族がいるかもしれないから気を付けてね」

「わかりました」


 イチャモンつけられたら魔法で凍らせればいいか?

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