第9話

 朝起きて飯を食ったら冒険者ギルドに行くことにする。F級だからゴブリン退治か薬草集めでいいかな。


「お姉さま、お待ちになって」


 ん?お姉さまって俺のこと?


「お姉さま、私とパーティーを組んでください」

「断る」

「私といたほうが安全です!一緒にいましょう!」

「大丈夫だ、私は強い」

「私は付いていきますよ!」

「勝手にしろ」


 名無しの女に付いてこられることになった。今日は薬草集めだから大したことにならないだろう。


「薬草あった。こっちにもあった。大量大量」

「さすがですね。私も」

「ゴブリンだ!アイスアロー!」

「弓で撃つ!」

「なかなかやるわね」

「お姉さまこそ」


 付いてくるだけかと思いきやパーティーメンバーのような動きができていた。


「私はメアリー。あんたは?」

「ミリア・フォン・マルボラよ」

「なっ、貴族か」

「いいえ、王族よ」

「王族!私に何の用だ!」

「いえ、お姉さまにはお姉さまでいてほしいだけで…」

「目的は何なの!」

「ですからお姉さまにはお姉さまでいてほしいだけです」


 ふーむ、王女が冒険者やってるってどういうことなんだぜ。そんで俺に付いてくるとかのたまっている。あぶない人だな。


「王族とはこれ以上のパーティは組めない」

「じゃあ私の護衛をしなさい。命令です」


 命令かー、それならいいかな。

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