第5話
馬車の護衛は順調に進んだ。隣の領なのであっという間だった。
「さあ着きました。大賢者ラムウ様、うちで食事でもどうですか?ぜひ一泊していってください」
貴族の家で食事か。ご馳走でも出るのかな。うちじゃ質素倹約だったから美味いもの食ったことないんだよな。
「ありがとう。じゃあお呼ばれしようかのう」
「大賢者殿、娘を助けてくださってありがとうございます。父のアイゼン・フォン・オルトラム伯爵です」
「母のビアンカ・フォン・オルトラムです」
「ラムウです」
食事の席で挨拶をした。肉料理が多い。たぶんご馳走なのだろう。美味い。
「ラムウさんは雷魔法を使うとか。すごいですね」
「雷魔法は得意じゃな」
「お弟子さんとかいらっしゃらないの?」
「弟子はとったことないですな」
「じゃあ私が弟子になってもいいですか?」
ジェシカが弟子になりたいらしい。どうやらオルトラム家は俺を召し抱えたいようだ。
「人に魔法を教えたことがないから弟子はお断りします」
「えー」
「では食客としてはどうでしょうか?」
「ふむ…」
食客として雇われたらキャラ変更の機会が失われる。でもタダ飯は魅力的だ。
「食客としてなら雇われましょう」
「ありがとうございます」
「やった!」
俺はキャラ変更を封印することになった。ずっと爺RPと一緒だ。
メイドさんに部屋に案内された。今後のことを考える。誰かに必要とされるなんて初めてで浮かれているのかもしれないな。ずっとこのままでもいいかもしれない。俺はいつのまにかベッドで眠っていた。
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