第3話 本真にブラックな社長の エピソード②
社長のエピソードは事務方だけでなく、他にもありましたのでシゲルさんに告白していただきます。
エピソード②:工場編
草野社長どの、商品に対してとにかくお金をかけずに利益のみを追求したい性格だったのには、先輩から教えられ勤め続けていくにつれてあからさまにわかってきたので、シゲルさんもこれじゃぁ質が良くて長持ちする製品を作るには無理があるなと感じていました。
そんなある日、地元のゼネコンが手掛ける新築の学校に備え付ける各部屋の収納庫を製作し納品・据付する仕事を加藤課長が受注されたことから、草野社長、喜び勇んで東南アジアの知り合いの所へ外材(国外の木材)を安く仕入れようと旅立たれたのです。多分に自分の楽しみもあるのか?都度そのように海外へは行かれてたみたいですが、海外なので納入期日がやや不明確なのをみんな心配してました。
「納期的に、そろそろ依頼されている家具の製作に取り掛かからないと間に合わんバイ」などとイライラしてきたころに、何とか待ちに待った材料が大型トラックで届いたのですが、なんと、完全に乾燥しきっておらず半乾き状態だったので、大工さんや加工する職人さんも、直ぐに加工できないだろうと心配するばかりでした。
だいたい大量生産される家具の殆どは、芯材(骨組み)に木目や落ち着く模様の入った化粧板(メラミンなど)を木工ボンドで圧着して製作されているので、一枚板を加工して造る家具に比べて、それなりに軽量で安価に提供できるのです。今回、社長がはるばる海外から安物買いで調達してきたのが、その芯材に使うための木材だったのです。
納期にあまり余裕もなく、今回のために期限付きで応援してもらう大工さんの兼ね合いもあり、社長の一声で仕方なく届いた半乾きの木材を使用し各家具の芯材を大量に切断・加工する作業に入ったのです。
話長くなりますので、製作途中を
造り直しはもちろん補修作業も手間取るし、「シミがひどいのは背面に使えばよか!」などと、あんたのせいのブラック社長さん命令、とにかくてんやわんやの家具作業となってしまいましたが、職人さんたちのおかげで何とか納期には間に合わせれたのです。また、それとは別に完全に乾燥してないので重さも何割か重く手運搬にも手こずった上に、据付後の変化も心配が残ってたのですが。(後日談不明?)
ブラックな社長さん自らが、ニヤニヤと儲けばかり計算して指揮とるものだから、最終的に原価がどの程度はみ出したのかはお蔵の中だったのですが、ワンマン社長もさすがに少し懲りたようで、暫くは大人しくされてたようです。😿
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