第2話 ブラック風な社長の おな~り~
数日後、東森シゲルさん新年度始まりの4月1日に新しい勤務先へ初出勤し、第二の人生の始まりとなりました。営業職としての採用で、前職でも官庁や地元の企業への飛び込み営業や馴染みの会社への見積営業など経験していたので、多少は何とかなるかなと期待しつつ、与えられた事務机とパソコンにて担当する業務内容を身に着けようとしたのです。
会社の構造は、一階に社長室と事務所や休憩室が配置され、そして完成して出荷前の家具や建具の仮置き場、そして防食や塗装仕上げする部分とになっており、二階が大工さんや職人さんが作業する加工場で、専用の特殊な機械が使い勝手が良いように配置されており、外観は町工場そのものでした。
営業の加藤課長から支持される図面の作成や家具単体の見積書などを会社の書式に沿って作ったり、工場(こうば)から頼まれる木工部材や機械部品の手配・調達、そして顧客先への納品手伝いや補助業務などをまかされ、忙しくも今まで経験してこなかった作業をして、充実した日々を送っていました。経理と事務を担当する二人のお母さんたちもにこやかで、会社の外にはすぐ海となっていて磯の香りが気持ちよかったみたいです。
そんなこんなで平穏な会社勤めが1ケ月を過ぎたころだったとシゲルさんは記憶しているのですが、1発目の爆弾がすぐそばで爆発したのでした。😲😨
エピソード①;事務方編
草野社長の部屋と事務室は開き戸1枚隔てて隣り合わせになっているのですが、経理書類を事務の方が社長室に持って行き、暫くしてからの出来事でした。
「○○さん、この書類はなんね? 私が指示した処理と全く違うやなかね。 今まで何ばしよったと、これじゃ給料払えんバイ・・、分かっとっとね!!」
などと叫びながらシゲルさんのそばを通って事務員さんの机ににじり寄ったとです。
しかしながら、事務員さんも恐れ怖がる風でもなく負けじと
「今まで通りに処理しましたよ。何か勘違いされてないですか?・・」
と言い返していたのです。
大声での言い争いは時間的には4~5分くらいだったみたいですが、その後、事務の方があきらめつつ書類を書き直すことで落着しました。シゲルさんにとっては初めて事だったのですが、あとで聞いた話では、社長どのは思い通りになっていないと、辺りかまわず癇癪を起して怒鳴り散らすことが、ソコソコ有るようでした。🤔
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