第2話 寝ている時に蜘蛛の妖怪に噛まれる

 「くそ!今年もホーストが優勝かよ!」


 坂本少年は寝る前にk-1グランプリのテレビ中継を見ていた。

 

 「何だよ!」


 「もう12時じやんかよ!」


 「明日は日曜日だけど、流石に夜更かしし過ぎて疲れたわ!」


 「もう寝るか!」


 坂本少年は蛍光灯の紐を軽く引っ張って消灯した。

 寝る時に完全に真っ暗だったら気味が悪いので小さいランプの灯りだけは点けている。


 ベッドの布団に潜り込みパジャマを着替えるのも面倒くさいのか私服のまま寝ている。


 「............」


 坂本少年が無言で部屋の天井を見つめていると次第に眠気が襲ってきて深い眠りにつく。


 「オイ.....コノガキ........」

 

 何処からともなく機械の音声の様な声が聞こえてくる。


 「んっ?.........」


 「何だ.....この声は.....?」


 坂本少年が目をうっすらと開けた。


 天井にセアカゴケグモのような不気味な形の蜘蛛が張り付いている。


 セアカゴケグモの様な蜘蛛は坂本少年の頭位の大きさだろうか?


 天井に張り付いた奇怪な蜘蛛は口から糸を吐き出しながら坂本少年のベッドの上辺りまで降りてくる。


 「くっ........!」


 「か....らだ....が...うごかない.....!!!」


 坂本少年の体は全身が金縛りにあっているからなのか体が全く動かない状態だった。


 「ワシ.....ノ.......イノチ....モアト....スコシ」


 「ワシノ......ドクヲ....オマエニ....ワケテヤロウ......!」


 坂本少年の首筋に蜘蛛が降りてきた。


 「チク!」


 坂本少年の首筋に注射器の針の様な物が刺さる様な感覚があった。


 「うっ!」


 「痛~!」


 坂本少年は金縛りにあっているが口だけは自由が効くのか、痛みを感じる素振りをする。


 「ワシ......ノ......ドク....ガ.....カラダニ............ハイルト.......ヨウジュツガ................ツカエル.........」


 奇怪な蜘蛛は坂本少年の首筋を噛むと視界から薄らと消えていく..........


 



 

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