第6話〜作ってワクワク!でも壊す方が……〜
翌朝、今日は一人で魔法の練習をしてみる
昨日体外の魔素に干渉しようとして失敗した
まずは体内の魔素で練習しよう
「さてと、この部屋も飽きてきたしエルダさんの許可もとったから…魔改造の開始だ!」
今住まわせて貰っている家は元々病人を隔離する所だったそうで、だからなのかベッドと小物入れ以外まともな家具がない
他には申し訳程度のキッチンとトイレだけであった
現代人でかつ現実世界でもトップクラスの生活水準を誇る日本人であった大和にはとても耐えれなかった
風呂のない今の環境は大和の日本人魂に火をつけその結果がこれである
「取り敢えずこの家は壊すとして、再利用は…古いから無理か…仕方ない分子レベルに分解して解体しよう」
この発言をもし現代人が聞いたなら文系は首を傾げ、理系は鼻で笑うだろう
現代技術を持ってして大和の希望を叶えられる可能性はほぼゼロである
しかし今の大和には魔法と高校化学の知識がある
「普通は無理だけど…イメージに極端に依存している魔法なら…」
パチッ!
大和がカッコつけて指を鳴らすと、まるで元から無かったかのように目の前の家が消えた、いや分解された
「おお!大成功だ!じゃあ続いて新しい家を作っていくぞ!」
大和は続いて新しい家を部分ごとにイメージした、イメージはサザ○さんの家である
「えーっと、玄関は広めに廊下をまっすぐ伸ばして突き当たりにリビング横にキッチンとダイニング……」
と言った具合に取り敢えず部屋の外形のみ作って行った
「材質は木で中心を鉄に…ん?魔素で劣化を遅らせれないか?」
地球上でのあらゆるものの劣化の主原因は材質が酸素と反応する酸化反応である、たとえばサビとか
もし酸素だけでなく空気そのものを魔法で意図的に遮断できるならかなり劣化しにくくなる
「うーん、イメージは真空パックでいいんだけどどうやって維持するか…」
ここにきて魔法効果の継続という壁が出てきた
しかし、こういう時は先人に学ぶと相場が決まっている
そこでエルダさんに聞きにいくことにした
「ごめんくださいエルダさーん!」
「はーい!ああ大和さんどうされました?」
「新しい家の材質に対して魔法効果を継続して維持したいんですけど何か知恵はないかと思って」
「新しい家?…ああ!今改築してるあれですね、そうですね…魔法陣はどうでしょう?」
「魔法陣?そんなものがあるんですか?」
「ええ、ただ魔法陣は別の言語で書かれていてまずはそれを覚えてから出ないと‥」
大和はピンときた、プログラミングか!そういえば昔泰成のやつに教えて貰ったっけ
「ありがとうございます、取り敢えずやってみます」
急いで家の建設予定地まで戻ってきた
エルダさん曰く魔素で文字を書いていくらしい
普通ならその言語を習得するべきなのだろうけどそれはちょっと面倒だ
もしかして日本語でいけないだろうか
大和はイメージして材質に魔素で“劣化防止”と刻んでみた
「おお!ちゃんと魔法が継続してる!よしならもっと…」
人間というのは新しいことが出来るようになるとみんな調子に乗る
自重という言葉を知らない大和少年は“耐火”、”耐魔法“、”耐物理“、”温度自動調節“、”結界展開“などともはや何を警戒しているのか分からないほどに『俺の考えた最強の家』を作ってしまった
「ふー、取り敢えず家の骨組みは終わったー、明日から内装頑張るぞ!」
大和の暴走はまだ終わらない…
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