第4話〜満月の夜の決意〜
僕の起こした大洪水で村がめちゃくちゃになったあと、
とりあえずソフィアさんと一緒に集落の広場まで行ってみると
「ああ無事で良かった、大和さん大丈夫でしたか?」
「えっええ…大丈夫?でした…ハハ…」
エルダさんが心配そうに立っていた
ただ周りの様子が変だ、何故かまるで祭りみたいに盛り上がっている
「あっあの、エルダさんこれは…」
「ああ、おめでとうございます!初めての魔法はいかがでした?」
「へ?怒らないんですか?こんな無茶苦茶になったのに‥」
「何を怒ることがあるんですか?めでたいことじゃないですか!」
エルダさんによれば集落の子供が初めて魔法ができた日はこんな感じで祭りになるらしい
ちなみに壊れたものに関しては、魔法で1時間もあれば直るらしくさほど気にしてなかった
「家の一軒くらい子供の練習でよく燃えるので大和さんもそうなるかと、でもまさかあれ程とは思いませんでした」
「いや、僕も冷や汗かきましたよ…でも何であんなになったんでしょう?」
「うーん、恐らくですが大和さんの異次元の親和性とあとはイメージでしょうか」
「イメージ?」
「はい、魔法行使の際大和さん何をイメージしました?」
「えっと…水そのものっていうか何かそんな感じで……なんかすいません」
正直異世界に来た事や、前の世界のことは誰にも話したくない
今頃家族はどうしているんだろうか
現実世界と同じ満月が空には浮かぶ
「ふふっ、いえいえ簡単に言える事ではないんですよね?」
「ええまあ…」
「では、これは私からのお願いなんですが、集落の子供達の先生になってくれませんか?」
「えっ?先生ですか?」
「はい、この集落は様々な事情から孤立して自給自足の生活をしています、ですがこれがずっと続くとは思えないのです、この生活が終わる時今の大人が無事に生きてるかも分かりません、ですから大和さんには次世代を、この集落の未来を育ててほしいのです」
確かに俺が持っている21世紀日本の知識はこの世界からすればまさしく神に等しいものだろう
ただ、それを安易に教えれば極端なパワーバランスの偏りが生じて争いが起きる
1度争いが起きると山火事の如く広がっていずれは僕も飲まれるかもしれない
「大和さん?」
「はっはい?」
「大和さんの知識がどれほどのものかは私には分かりかねますが、きっと凄いのでしょう…その知識を前にすれば私ですら赤子同然なのかもしれません、きっとその辺りを気にしているのではないですか?」
「…はい、その通りです…僕は怖いんです、ナイフは正しく使えば便利な物ですが、使い方を間違えれば‥」
「それなら、一番いい解決方法がありますよ」
「えっ?どういうことですか?」
「簡単です、大和さんがその異次元の力で見守り指導すればいいんです」
僕はハッとした、今の僕は魔素による活性化で身体能力が著しく向上している上に寿命もかなり伸びている、僕がこの集落に知識を与える事で起きる不都合は僕の手で片付ける
何が起きても僕が導き正すんだ!
「エルダさん、そのお話お受けします!」
この時の決意がいずれ建国へと進む起爆剤となるのだが、それはまた別のお話
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まさかの教師就任、これからどうなるんでしょうねー?
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