応援コメント

6.埃が積もった玄関前」への応援コメント

  • 境遇が同じ愛美と麻里衣の、立ち位置の違いというものがここで明確になりますね。
    原作の方は、ある瞬間突然……それが読者に伝わるような驚きと衝撃がありましたが、こちらは瞳との出会いのシーンからしっかりとそれが伝わる要素が散りばめてありますね。
    どちらも、不幸な境遇の子、という共通のものでありながら、心の内面は全く違う。
    その事が、じわじわと読み手の心に溜まっていったあたりで、溢れ出すようにアパート前────
    この娘はすでに麻里衣の母親の役割を背負わされていたのだ。そこに自分を定義していたのだと、嫌が応にも分からせられる。この情動は切ないですね。自分を贄に妹を守るんだと決意して、その上で自分の境遇を嘆くのではなく、妹に嘘をついたことを悔いる……もっと、子供らしい感情が残っていても良い年ごろなのに、この娘はそれらをすべて奪われたんだと思うと、涙が止まりません。