第2話『雷の怒号』
前回までのあらすじ!
古代魔法族が平和に住んでいた里を死神と呼ばれる悪い奴に襲撃され女の子の主人公を逃がすため、里の皆で応戦するんだ!
結果、奮闘虚しく皆死亡!
そして女の子主人公は捕まって監禁されて遺書書いて抵抗して、男主人公が助けに来たよ!
今回の続きはそこから!
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「あ、あなたは誰なんですか?」
誰…俺のあの技を見れば誰か分かると思うのだが…まぁ良いや
「俺はとある国から死神を殺す為ここまで追ってきた。プラスお前達を守るためにだな。
…怪我はないか?」
「あ、ないです(目立った傷は)…」
幸い少女に怪我などは見られない。良い事だ。女の子に傷が付いたら大変だからね。
「そうか。俺はこれからあいつを殺す。ここを離れてろ。」
これ以上古代魔法族を喪う訳にはいかない、古代族にしか使えない魔法を失えば未来で訪れる危機に対抗できなることを招雷は知っているからだ。
「離れてろって…嫌です!私、本当に微力ですけど少しなら、まだ扱い慣れてませんけど付与魔法サポートぐらいなら出来ます!!」
古代魔法を扱う少女・アカネは
闘う。そう言った。死神を倒すために、もう、誰も同じ目に逢わないようにするためにと
アカネの目は招雷にそう訴えていた。
「…戦う!?やめろ、あいつの前では付与魔法とかでサポートしたってすぐに解析されて無効化されるだけだぞ!」
戦いたいと、少しでも力になりたいと言った少女に驚きつつも冷静に対応する。
はっきり言った。無意味だと。
「大丈夫ですよ…私諦めが悪いぐらいしか取り柄ないので。それに、私の事を魔法の相性で判断して戦うことをやめるように言いましたけど…古代魔法を組み合わせた付与魔法サポートなら無効化されるのに時間がかかると思います。」
無効化されない。いや、正確に言うなら古代魔法がどんな魔法かを知り、仕組みを理解し、無効化できるようになるまでの解析時間が長いと言うだけ。
これなら少しは力添える。アカネは知恵を振り絞った。
ならば招雷は応えなくてはならない。
小さな女の子がここまで頑張っているのだから。
「そうか…じゃあ、俺は全力で奴を倒すことを誓おう。付与魔法サポート頼んだぞ、古代娘!!!」
招雷は走り出___
ン!?
少女に掴まれた、自分の腕の裾を。
「あの…一つだけ、私アカネっていいますそっちで呼んでください!あと…あなたのお名前は?」
少女は、いや、アカネは
娘と言われたのが嫌だったのだろう。
それと、俺の名前を聞いてきた……本当に俺が誰だか知らないんだな……いや、エントでも表立った活動してないから別に良いんだけど。
「そ、そうか、ごめん。今度からそっちで呼ぶよ。俺の名前はエスト。よろしく。」
招雷の名前はエスト、少女の名前はアカネ
二人はお互いの名前を確認し終えすぐに戦闘準備に移る。
「ああ、言いそびれた。後方支援よろしく頼むよ、アカネ?」
「任せてください…絶対…絶対…死神を倒してください!!エストさん!」
始まる、死神を倒す闘いが。古代魔法を扱う少女は早速古代魔法と付与魔法サポートを合わせ、付与する準備を始める。
招雷は雷の膜で自分を覆いスピードを上げて死神を飛ばした方向へと走り出した。
____________________
「うぅ~ん痛ったいなぁ!」
招雷の不意打ちにより吹き飛ばされた死神は痛みを感じ、ダウンしていた。
「まさか…このボクが不意打ちを食らうとはね。やるじゃないか。」
素直に相手を称賛し、立ち上がる。
大鎌を右手に持ち、左手で『誘い』を発動させ、相手を死の国へ送る準備を整える。
「痛い目に合わせてくれたお礼だ。死に目に合わせてあげようじゃないか!」
死神は痛い目に合わすことはしない。
痛みを伴う死は、彼のポリシーに反するからだ。
大鎌と『誘い』どちらも当たれば即死の代物
彼の死神たる所以である。
「ん?来たみたいだね。招雷」
自分を吹き飛ばした相手が雷を纒ってそこにいた。纏った雷はピリピリした空気を作り、彼の怒りが表れているように見える。
「お前はここであの世に送ってやる。死神」
「ボクも君との戦いはこれで4度目だから飽きてたんだよね〜。にしても、あの世に送るだなんて、物騒な事を言うねぇ」
風が吹き、太陽は地を照らし、水の流れは緩やかに、二人の強者はただゆっくりと近づき
カキィン!!と拳と大鎌の触れる音がし、その余波で周りの岩や、木などが吹き飛んだ。
『招雷陣』
自分の周りに雷のサークルを作り、相手を近づけない『招雷シリーズ』の技の一つである。
『招閃』右手を横に振れば横に飛ぶ雷を、縦に振れば縦に雷を落とすことができる。射程はそこそこ長い使い勝手の良い技である。
「相変わらず気持ち悪い技のコンボだねぇ、ならこちらも『死砲』」
死神は迫りくる『招閃』を腰の『死砲』と云う技で相殺した。相殺したのは良いがそこから砂埃が発生し、両者ともに相手を視認できなくなる。
『死砲』生物の命を削り砲丸のように放つ魔法。命を削った玉は何よりも強く、恐ろしいとされる。
「やっぱそうなるよな。」
招雷はここまで想定内のようだ。
何度も戦っているからこそ相手の戦闘パターン、技が分かっているようだ。
「なら……」
拳に雷を纏わせる。アカネを助けた一撃、死神を吹っ飛ばした、あの一撃を放つ構えをとっている。
「ボクだってこれは想定内さ、だから、こうさせて貰うよ。」
死神も想定内の様だ。しかし彼の採った攻撃は魔法による攻撃ではなかった。大鎌をぶん投げた。魔法を使用しない一撃故、感知が出来ない。
「な!?投げた!?ここでかよ!!」
招雷は急いで拳に集中して注いでいた魔力を全身の防御に使う。
「遅いね。その鎌はさ、相手が魔力で自分を守ろうとすればその分威力を上げ、ボクが魔力を使用しなかったらその分使用者の身体能力を上げる代物なのさ。いやー改良しといて良かったよ!」
間に合わない。招雷は避けようと思ったが間に合わない。集中していた魔力を解くのに早くても3秒、鎌が届くまでにあと2秒といったところ。
勝った死神はそう思った。
だが、招雷は窮地に立たされ笑った。
ニヤッと笑って招雷は解こうとした魔力を解かずに、右の拳に再出力し始めた。
死神には負け確定の敗者の最後の足掻きだと思いただ、そこで眺めていた。
『古代魔法+付与魔法サポート!合体!』
「古代付与魔法『反転!』」
古代魔法と付与魔法の融合魔法『反転』
アカネは融合にようやく成功し、招雷に付与した。
『反転』付与した者への如何なる攻撃も逆の効果へ反転する魔法。
大鎌の攻撃を魔力で守ろうとすれば斬りやすく、威力を高める能力を相手が自分を守る魔力が小さいほど威力を高めるに変更させる。
「ハハ!無駄だよ、ボクの前で付与魔法は無意味!!!…あれ?おかしいぞ何故無効化てきない!?」
死神は無効化できないことに慌てる。
招雷は反撃の一閃をぶっ放す。
「また、あのガキか!?いい加減しつこいz」
雷の一撃が再度、相手を貫く
「閃撃!!!!!!」
死神を重い拳を喰らい、吹っ飛ばされ岩に激突する。
強い相手だった。戦闘経験という点で言うならこちらは負けていた。しかしこちらは運が良かった、古代魔法と付与魔法の少女がいたからだ。招雷が一人だったら負けていただろう。
招雷は招雷陣を解除し、相手に近づく。
「よぉ、見下される気分ってのはどんなもんだ?」
見下ろす。それは死神が相手に恐怖を与える行為の一つ。それを今自分がされている。嫌なはずがない。
「うるさいなぁ君は…ボクはね、『あの子』のためにやらなきゃいけない事があるんだ…」
『あの子』誰のことだろうか。
そんなことはどうでもいい今は目の前にいる大犯罪者を処刑する時間だ。
「家族や友人に伝えてほしいことはあるか?」
何かを伝える。それぐらいはしてやるというのが彼の慈悲だ。
「そうだねぇ…じゃあ…いややっぱり…いいや…君に言ってもわからないしね………」
死神は少し迷って、断った。
彼は喋るのも、もう辛い状態だ。喋る度に血を吐き、体が引き裂かれそうになる。
「そうか、じゃあな。死神」
招雷はそう言って死神に自分の雷をぶつけ
仕トドメを……させなかった。
いや、違う。招雷は確実に純度100%の殺意を込めた雷を放ったはずだ。それなのに何故、いないのだろうか…
「……まさか、あいつ!!」
招雷は気付いた。死神が何をしようとしているのかを。
最後の足掻きでアカネを殺そうとしていることに気付いた。招雷は急いでアカネの方に向かう。
(間に合えよ、俺!!!)
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死神は閃撃を食らったとき、もう勝てないとおも。目の前の相手に勝てないだけである。
死神は勝つことをやめ、アカネを殺すという任務だけ果たすため足に最後の魔力を込め超スピードでアカネの居る場所に向かった。
「さっきの光…エストさんが死神を倒したんだ!!」
やったやった!と少女は喜びジャンプした。
これでみんなの無念は晴れ、死神の被害者も増えなくなると喜んだ。
だがその幸福も束の間。
「やぁやぁ、ボクだよ。」
聞き慣れたくない聞き慣れた気持ち悪い声、世界で一番嫌いな声が目の前に表れた。
「え……………エストさん、は?」
恩人の生死を確認する。恩を返したいから。
「ボクがここに来たってことはそういうことだよ。」
エストさんが、し、し、死んだ??
死神を倒すと約束してくれた人が負けた?
私はまた光を、失ったの?
「んじゃ、殺すよ〜!」
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない
体があらゆる事に対し拒否反応を示す。
喪失、死、無力な自分、死神、不平等なこの世界に。
「俺がお前に負けただと?嘘つくんじゃねえよ!!」
希望の光が来た。
「招雷あと少し早ければこの子を助けれてボクを殺せたのにねぇ!!」
「おい、待て、その鎌を振り下ろすな!!」
招雷は怖い顔をして大声で死神にそう言った。
「嫌だ…死にたくない!!古代魔法・絶対防御!!」
「それは、前壊されただろぉが!!無意味だ!!」
死神はそう言い『誘い』で破ろうとする
しかし、破れなかった。前はパリンと破れたのだが何故か破れない。この短期間で少女が強くなったとでもいうのか。
「は?どうして?ナァァァゼエェェェェ!?!?」
慌てふためくのも無理はない。自分より遥かに弱い者の防御を破れなくなっていたのだから。
「さぁ、なんでだろうな?」
招雷はその隙を逃さず必殺を叩き込む
「招雷・双閃撃!!」
両の手がバチバチと音を立て、死神に
二つの雷を叩き込む、二撃必殺の雷撃。
「クッハァ‼ウォエェ!!カハッ」
死神は血を吐きながら気絶し、地に倒れた。
勝者 招雷&アカネ
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