共通点が多いだけの君に

@natukasikinopio

一話兼最終話

私は人より劣っている部分が多い高校3年生男子の敬斗だ、私自身が一方的な恋心を抱いている人ゆうりとの出逢いをまず書こう。

彼女との出会いは小学1年の頃だ、彼女とはよくありがちな恋愛小説の様に幼馴染でも家が近所でもなく、しかも一切喋った事はない間柄のクラスメイトという関係だったが、小学1年生の入学してから7ヶ月頃の11月中旬の事だった、私はその様な間柄であった為からか何も特別な感情は沸かなかった、そして11年後の私と彼女が高校3年生となった時にクラスメイトとなった、クラス替えをして2ヶ月後に席替えがあり、私と彼女は席が前後となった、そこで私は彼女は親が離婚した関係で又隣の町に引っ越しをしていたことを知った、私が通っている高校からは電車で約20分程の距離にある町だ、そこで前後となり他愛もない会話をしている内に私は彼女の事が好きになってきていた、会話の中で彼女と私に共通点が多いことを知った、その中でも私も片親家庭であり、その事を色々な奴に馬鹿にされ続けていたが、彼女と一緒と言うだけで何故か少しだけ嬉しくなっていた。

そこから数ヶ月経った二学期が始まってすぐの席替えの後からは、前にいた彼女の匂いや仕草が私にとって懐しい物となっていた、彼女の事が授業中も家にいる時にも彼女の事が何処か頭の片隅にあった。

そこから接点はあまり無いまま彼女の事は頭の片隅から消えていたが、一月の中旬となり、もう大学受験を控えている時に緊張もあってか急に彼女の事を思い出し、ずっと考えるようになってしまった。

そして大学受験を終えた頃、意を決して彼女にメッセージを送ってみた、そこからメッセージは続き、私と彼女は友達の様な関係となっていた、そこから卒業式の3日前に一度だけ彼女を含むクラスの何人かでカラオケに行った、そこで彼女とは少し言葉を交わしただけだった。

そこから3日後の卒業式では、彼女とツーショットを撮っただけで会話は一切弾ずに告白もできなかった、卒業式の帰り道で一人で過去の自分の事について考え込んだ、片想いで付き合いたいと思っている間を楽しんでいた自分、そして自分の臆病で弱虫さに自分を殴りたくなった。

         終

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

共通点が多いだけの君に @natukasikinopio

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ