第10話「謎の転校生」


「いってきます……」




と共に心配しながらも手を振ってくれるレボシと母に見送られながら学校に向かう。




「新間さん、おはよう」




下を向いて歩いていると横から同級生の次月西奈が顔をチラッと見てくる




「あっおはよう、西奈さん」




「私、思ったんだけど新間さんが良ければ、そのタメ語でお友達になりたいななんて……」




「えっ……いいの?」





小中以来の初めての友達。高校で避けられ続けた僕に話しかけてくれたのも次月西奈だったから。





僕は嬉しさが勝ち




「うっうん!宜しくね!西奈!」




「うん!良かった……新間くんが友達になってくれて……」




ホッとした気持ちで応えてくれる西奈を見て僕もホッとした。




そしてそろそろ学校に付く。




「大丈夫だよ? 新間くん、私がついてるからね」




「有り難う」




教室に向かいドアを開ける




皆こっちをジロジロ見ながらも黙り込んでいた。




僕も、少し下を見て黙ってしまった。




「あっえっと、皆、久々の新間君だよ? 挨拶ぐらいはしようよ」



皆、目を背けながらおはようと小声でボソボソと皆挨拶してきた。




僕は、何故かまた心がモヤついたが気にしないようにした。




「ごめんね……新間くん、気にしないでね……」




と小声で耳元で囁やく西奈を見て、僕には良い友達が出来た、何人も友達作る必要はない。今いる人を大切にしようと思ったのであった。




すると先生が入ってきて僕を見て嬉しそうに




「良く来たな、新間」




と、嬉しそうに返事をしてくれた。




僕は、嬉しくて照れてしまった。




「皆に良いお知らせがある、入ってきてくれ」




ガラッとドアを開けスタスタと入ってくるのは黒髪で赤目の転校生であった。




「じゃあ、名前を黒板に書いてくれるかな?」




スラスラと書くのを目で追う




滋賀忽那(しがくしな)




と書かれてある綺麗な漢字の名前を皆、おおおおと目を輝かせて見ていた 




「忽那、これからも宜しくな?」




「……はい、こちらこそ」




と言った途端に僕をぎろっと睨む





ゴクリと唾を飲み僕何かしたかなと焦っていた。




「じゃあ、新間の隣が空いてるから、そっちに座ってくれ」




僕の隣!?どっどうしよう……




スタスタと歩き僕の横に座り小声で




「流れ星の情報を知りたければ、帰りの時俺に付いてこい……」




えっえっと僕は困惑した。流れ星?情報?どういう事!?




「何で、流れ星の事を?」



と小声で返すと



ギロッとまた睨まれ聞くのは、帰りしかないと悟った。



そして授業が始まるが、今回の授業は難しかった……皆頭を抱えて受ける中ただ一人質問に答えられる人がいた……それが、転校生の、滋賀忽那だった。皆彼を尊敬するかのような目で見ていた。女子には確実にモテるであろう持ち主だ…。



体育の時間も忽那は、運動抜群であった。他の女子たちは次々とキャーキャー叫んでいた。僕は、角っ子でそれを見つめていた。



そして、休み時間……



「ねぇねぇ、忽那くんってどんな子がタイプとかある?」



「……」




「つれねぇな〜忽那なんか喋ったらどうだよぉ!」



「……」



本当に誰の話も聞いてないかのように無言であった。他の生徒たちは、つまらなそうに他の場所に行き話を始めた……まるで僕の時のようだった。



「新間くん、忽那くんって、緊張してるのかもね……私たちで声かけてみましょう?」



「えっあっうん」



多分緊張と言うより……単に喋りたくないだけなんじゃと思ってしまう僕だった……



「こんにちは?私、次月西奈って言います、良ければ仲良くしたいな…なんて、どうかな?」


「柏崎新間です……宜しく?」


と同時に、僕の事を凄い目で睨んできた。目の圧が凄すぎて心の中でヒィィってなってしまった。


でも様子がおかしい、西奈の事を見て下を見てる



「えっえっと?私、何かしちゃったかな?」




「……」




「?」




「……」




黙り込む沈黙した雰囲気に西奈はアワアワとしていた。




「ごっごめんねなんかしてたら(泣)」



どよーんとしたトーンで喋る西奈を見て忽那はそっぽを向いていた。





「そろそろ授業の時間だぞ〜」



と先生が入って来た同時に、チャイムが鳴り休み時間の終わりの合図を告げられた。



「じゃっじゃあね?忽那くん…?」



手を振る西奈を見て忽那はじーっと眺めていた。



授業を次々と進める中僕は、考えた。レボシの事を何故知ってるのかと、流れ星と言ったらレボシに違いない……流れ星の情報って何……と思いながらもあわあわしていた。


そしてお昼の時間になり、弁当🍱を出し机で食べようとすると、



「新間くん隣良いかな?」



と、西奈が声を掛けてくれた、今まで弁当は一

人で食べてたからとても嬉しい声掛けだった。



「良いよ!」



と同時に、忽那が堂々と西奈の横に座り弁当を広げていた



「え?」


「何か、悪いか……柏崎新間…?」



ギロッと睨む目がさらに怖い中、西奈はお友達と食べれるとウキウキしていた。後、僕の事呼ぶ時意外とキレながら早口で喋ってる(;´д`)トホホ…



「忽那くんも一緒に食べましょうね?」


と微笑む西奈を見て少しそっぽ向きながらも実は照れ隠しをしているんじゃないかという素振りを見せた。



そして食べ進める中話の話題もなく沈黙しながら食べる弁当……



「なっ何話す?」



「そうだね……」



「西奈は、どんな男がタイプだ…」



は?え?忽那いきなり何言い出すのと思いきやもしかして、西奈の事が好きなんじゃと思う僕であった。てかそもそもお昼にそんな話しないでしょ(・・;)



「えっえっえっ……えーとえーと…」



「無理に答えなくて言い…」



「うっうんなんだかごめんね…」



謝ることないんだよ西奈……忽那は何を思って急に言いだしたんだろう……



お昼が終わり、他の授業も色々と進め、帰りになる。



「付いてこい……柏崎新間」



「えっあっうん……」



すると、忽那は驚きのものを見せた



「お前にも流れ星が逃げてきたはずだ。」




そこには、レボシにそっくりな、真っ白の少年が居た。



「ハッハジメマシテ…ボク、ホシボシトモウシマス……」




「えっあっえこれはどういう事……?」




「全て話してやろう……流れ星と言う存在を……」

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