第7話「休みの日1日目」


「ヒマダネシンマ……フワァ〜」



「そうだねレボシ……フワァ〜」



と大きくあくびをしながらゴロゴロする2人

「2人も〜あんまりゴロゴロしてると牛さんになっちゃうわよ〜」



「モウモウ?」



「ハハッ、そうだねモウモウになっちゃうね、フフ」



「シンマナンデワラッテル?」



「フフッ」



「シンマハハモナンデワラッテル?」



首を傾げて聞くレボシが愛おしすぎてつい母と共に笑ってしまった。



「そうだわ!せっかくのお休みを取ってもらったんだし、少し頑張りすぎな真間にこれあげるフフ」



「?こっこれはヤミヤミカフェのジュース飲み放題券!?いっいいの?母さん?」



「少し遠いけど、少しは、息抜きにヤミヤミカフェに行って、美味しいものも食べてきなさい食べ物台は渡してあげるから」



「レボシモレボシモ〜」



と、服をグイグイっと引っ張る




「一緒に行こうなレボシ?有り難う母さん」




「良いのよ、人間なんだから少しは息抜きしないとね」




そして玄関に向かい靴を履きドアを開ける




「じゃあ行ってきます」




「イッテキマスー」




「行ってらっしゃい」




ヤミヤミカフェとは、英語のヤミーをヤミヤミと表したカフェの名である。

小さい頃は、母や父に連れられ良く食べに行ってたがもう最近は僕も学校だし、母も父も忙しくて行けなかったな〜。というか、休みもほとんど出かけないしな。たまには良いな。




「ヤミヤミカフェ?オイシイモノアル?」




「沢山あるよ!」




なっなんだろう親以外と、行くの初めてだな。

なんか、急に緊張が走ってきたな。




「ドウシタノ?」




「いっいや、何でもないよ……」




そしてヤミヤミカフェに着いた。




チャリンチャリン




あぁ懐かしい、鈴の音、良く小さい頃この音を聞いて真似してたな



「チャリンチャリン〜」



「レボシ……」



僕は小さい頃の自分とレボシを重ねて見て懐かしくなった。



「あれま?真間君かい?真間君だよね?」



「絃さん!?」



彼女は、清水絃(しみずいと)さん。ヤミヤミをカフェの店長の奥さんで、よく僕にオマケのウマウマアイスを良くくれたっけな。



「大きくなったね〜?ん?この子は?」



「あっ、この子はレボシ親戚の子です」



「レボシ! ヨロシク! オバアチャン!」



「あっコラレボシ」



「良いのよ〜良いのよ〜私もそれだけ歳を取ったって事よ〜」



「ん?シン坊じゃないか!久々だな!」



「あっ!謙信さん!」



彼がこのヤミヤミカフェの店長、清水謙信(しみずけんしん)さん。清水絃さんの旦那さんだ。彼は、良く僕の事をシン坊と呼んで孫のように可愛がってくれた。2人には子供は居るが孫は居ないようだ。



「おっそこの嬢ちゃんは?」



「レボシ! オジイチャン!ワタシレボシ!」



「おぉ、レボシ嬢ちゃんだね?宜しくな!ワシは、清水謙信だよ?あっちはワシの嫁の絃さ?でも、おじいちゃんでもおばあちゃんでも好きに呼んでくれな?なぁ良いだろ?絃?」



「えぇもちろんよ〜こうやってまた会えて嬉しいしね〜」



「そうだ! 今日はお祝いだ! 好きなもの頼みな! 今日は無料だよ」



「えっえっ!?そんな悪いですよ、ジュース無料券も持ってきましたし」



「いや良いのよ〜好きなもの頼んで?ねっおばちゃんとおじちゃんからのお願い?」



「オイシイモノ! オイシイモノ!」



「じゃっじゃあお言葉に甘えて……」



僕らは、席につきメニューを開く。うわぁ懐かしい甘々フワフワホットケーキに、プルプルンプリン。どれもこれも小さい頃の食べた記憶が遮る。



「ジュルジュル」



「うわ!?レボシよっよだれが半端なく出てるよ拭かなきゃ」



よだれを拭いていると清水夫婦は本当に嬉しそうな顔をしていた。



「じゃあ僕は、甘々フワフワホットケーキで」

「レボシモレボシモー」



「はぁい〜飲み物はどうする?」



「じゃあ、カフェオレで、レボシは、オレンジジュースで」



「はぁい」



レボシは、ワクワクしながら周りを見渡す。レトロな風景で、まるで昔の時代に居たかのような雰囲気になれるのであった。




「ねぇレボシ?ここ気に入った?」



「キニイッタ!キニイッタ!」



「じゃあ今度親も連れて皆で行こうね?」



「ウン!」



と同時に、甘々フワフワホットケーキ2つと、オレンジジュースとカフェオレが来た。



「イイニオイ」



「お待ち遠さま!さぁ食べてくれ!」



「いただきます」


「イタダキマス」



パクっと口に入れた後に甘いパンケーキにふわふわな感触に染み込んだバターが口の中いっぱいに広がった



「ウマウマウマーーー」



「美味しい」



僕は、懐かしさ一杯の味で疲れが一気に取れた気がした



「良かった良かった!」



「良かったわ〜」



「ングッ!?」



「レボシ!?」

「レボシ嬢ちゃん!?」

「レボシちゃん!?」



皆が一斉に驚くレボシは、美味しさのあまり張り切って食べてたせいか喉につまらせる



「レボシ、ジュース飲んでジュース……」



ゴクゴクゴク



と凄い勢いで飲む



「プハァ〜ウマウマ〜」



「フッ、ハハハ」

「フハハハ」

「フフフ」


と皆で笑うのであった。



「有り難う御座いました、カフェオレもホットケーキも美味しかったです」



「ウマウマ」



「良かったわ〜また来てねフフ」


「良かった良かった! また来てくれな!」



と同時に、僕らは外を出た。無料にしてくれた2人にはお礼の感謝でいっぱいだ。



「あっ……真間さん……」



「西奈さん……?」


「フェ?」



僕は、目を背けた。



「……ごっごめんなさい!」



「えっ?」



「私、怖かったの………あの時やめなよ! って皆に言えなかった……ごめんねごめんなさい真間さん……それで、今日真間さんの家に行って謝ろうと……」



僕は、彼女の目をやっと見れた僕は、そう思ってくれた人が居てくれただけでとても嬉しかった。それも家にまで行こうとしてくれただなんて僕はとても嬉しかった。



「いや良いんだ、その気持ちだけで凄く嬉しいよ有り難う、西奈さん」



「真間さん……」



「ムゥゥゥ」



と、レボシは頬を膨らませ西奈を見ていた



「どっどうしたのかしら?」



「シンマハレボシノナノーーーー!」



「あーーー!!!ごめんごめん!西奈さん……レボシは、こういうやつなんだ……」



「フフ、大丈夫よ、あの時もこんな小さなレボシちゃんが勇敢だったの私分かってるわよ……凄いわねレボシちゃん?」



「フェ?」



と、僕らは少し話した後に別れを告げ帰りの方向へと向かう



「シンマアノコノコトスキナノ?」



「えっいや……」



「シンマハレボシノナノーーーーー」



と大声を出すレボシだった。



懐かしい気持ちと嬉しい気持ちでいっぱいだったな。

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