第6話「許せない気持ちと許す気持ち」


僕達は、家に帰ると、お菓子を広げボリボリと食べていた。テレビを付けても面白い番組がやっていない。まぁそうだよな。だって、11時ぐらいに体調が悪いと言い帰ってきちゃったし、母さんはたまたま時間あったのか買い物に出てるし。レボシはお腹空かせてるしと困る僕だった



「オナカスイタネ、シンマ」



「もしあのまま学校居たらレボシに美味しい給食食べさせてあげれたのかな?僕がもう少し皆に合わせられる人だったら…」



「……シンマ!」





と大声でシンマを呼ぶ




「えっあっはい!」




「シンマ、ワルクナイ。シンマカンガエスギ。ヒトノコトカンガエスギテル。アンナノトモダチジャナイ!タダノイジメダ!」




と震えながらも涙を堪え必死に僕に言うのだった。




(あぁ……そうだ僕は、ただ浸すらイジメられてると言う意識をしたくなかったんだ。皆から避けられても暴言言われても我慢していた、僕は母さんや父さんにも先生にも言ったことがなかった。なのにレボシだけは気づいてくれたんだな。)




真間は、ウルッとした目でレボシを見つめる




「ゴメンネ、レボシツヨクナイ、レボシマモッテアゲタイ……ゴメ……」




ぎゅっ




「違うんだ! 僕が僕が弱かっただけなんだ、こんなに震えてもレボシをちゃんと守れなかった僕に責任があるんだ……」




と自分の情けと共に抱きしめながら言う




「……シンマハ、レボシノヒーローダヨ!ダッテシンマイジメッコトタタカッタ! ソレモレボシヲマモルタメニ、カッコヨカッタ」  




僕は、目から涙が溢れ出したこんなに優しい言葉をかけてくれた人はいつぐらいだろ親でも同級生の次月西奈も優しい言葉はかけてくれるがこんなにも心を打ち明けられた存在は……



すると、レボシも釣られて泣いた。僕は、レボシを強くギュッと抱きしめ2人で泣いた



ガチャ



「先生から連絡あって体調悪いって言ってたけど大丈夫?これでも早めに帰ってきたのだけ………ってえっえっ!?

どうしたの二人とも!?」



と母は、帰ってきた途端、買い物袋を床に落とし靴履きっぱなしのまま上がり込み2人を抱きしめ慰めた




そして僕らは泣き止んだ後に、今までのイジメの話と今日の話をした。



「真間……お母さん頼りなくてごめんね、お母さん気づけなかった……真間の凄く苦しい気持ちを今知った時お母さんね、もっと早くに知っていればって思ったよ……ごめんね真間……ごめんね……レボシちゃんも辛かったでしょ……」



と、母さんは泣いていた。僕が話したからかなとまた不安になりそうな時



ニギッ



レボシが僕の手を握った。すると僕は何故だか安心した。心の棘が少しずつ少しずつ無くなって行くような気がした。



「母さん……僕、今まで言えなくてごめンなさい 母さんを傷つけるんじゃないかと怖かったんだ。」



僕は、正直に話せた



「良いのよ! 良いのよ!

母さん傷つかないわよ……逆に言ってくれて有り難うね母さんそれだけでも正直に話してくれてホッとしたわ 」

 


と母さんは涙を流しつつもホッとした顔で微笑んでくれた。



次の日は、昨日帰ってきた父にも相談して皆で学校の先生に話をつけ、生徒全員の親が謝り生徒達はイジメと言う悪さをビッチリ教え込まれた。



「3日間休みが終わった後、学校へ行ったら謝ってくれるらしい……真間?お前は許せるか?」



「えっ?……」



「許せないんだろう……でもそれが自分がいじめられた事に腹を立ててるんでは無くレボシちゃんの事もいじめたからだろ?」



「うっうん……」



「今は、許さなくていいさ、段々と落ち着いてきた時にはもう大人になった対応が出来るんだと父さんは思うよ、だがな真間のそのレボシちゃんを守ろうとする意志は誰よりも素晴らしい事だ、だから自分を誇りに思いなさい」



「父さん……」



僕は、流れ星が大好きで誰よりも優しく説得力のある父が偉大で大好きだった。



そして家につく、僕は、3日間だけ休みを貰えることになった。少しでも気持ちが楽になりますようにとの事で先生が許可してくれたのだ。



「シンマ、イイコ、イイコ」



とレボシは、僕の頭を撫でてくれた。僕は、レボシにお礼しきれない程の感謝で胸がいっばいだ。



「レボシ、本当の本当に有り難う」



今日は、レボシへの好感度が上がった日でもあった。

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