1-17 女の子の一人称で地の文
地の文を女の子で書くと、一本調子になりませんか? あ、みなさんはそんなことはないですね。
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これは、『🏫エルフのエルフィーナは、美人で可愛いセンセです!……』の第32話の冒頭の部分です。
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連休が終わってまた通常のサイクルで学校が始まったの。
私も教室で、順調に授業を行っているわよ。
6年生の子ども達も、連休前と同じように時間を見つけては、自分の好きな教室へ行って、好きなことを教えたり、学んだりしているわ。
2組担任の私も、1組担任の平野先生も、自分の教室で勉強するよりも、自分で考えて、自分で学ぶ場所を選ぶ方が、よっぽど勉強になると考えているんだもん。
今回、連休明けに6年団では、1つの取組についての計画が話されたの。
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ここは、地の文をエル先生の一人称で書いています。ただ、文末に注目してください。ほとんど『……の』『……よ』『……わ』の繰り返しなんです。
どうも、地の文を男の子目線で書くより、女の子目線で書くのは、難しいような気がします。
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なぜか?
女の子が話した言葉の特徴が、表現できないんです。普通にセリフの説明や状況説明を書くと、性別不詳になるんですね。だから、どうしても文末だけで表現しようとしてしまうんです。
書く技術の無さなんでしょうね。
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自分は、新井素子先生の作品が大好きです。新井先生は、当初、独特な文体のため、それまでの作家さんとは一線を画していたと聞いたことがあります。
とにかく流れるような話言葉での作品、女の子の一人称による地の文は、まさに女の子がそこで喋っている感じがしたのです。
これを書きながら、『カレンダー・ガール』をもう一度手に取ってみました。
語り手『森村あゆみ』が、実に生き生きとしゃべりまくるんですね。
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ひょっとして、これは文じゃないような気がしました。これは、話しているんです。喋っているんですね。
だから、新鮮なのだと思います。
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それを踏まえて、ちょっと書き直してみました。
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連休が終わっちゃった。またいつもの学校が始まるのね。
授業っていっても、ぜんぜんいつも通り。
相変わらず6年生は、好きな教室へ行ってるわ。ほんと、がんばりやさんなんだから。
私も、1組の平野先生も、それでいいって思ってるよね。無理して嫌いな勉強するより、自分の好きなことやった方が、絶対に楽しいもん。
その方が、子ども達にとって、どれだけ勉強になるか分かる?
今日はね、6年団の先生で面白い取組が計画されたの。
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まあ、話し手のキャラクターの性格も関係してくると思いますが、難しいですね。まだまだです。
今、他の方のお話を読む時、どうしても気になって、読み返してしまいます。
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