第3話 力こそ世界の心理

ボロス君の背中に乗って移動する事数分、巨大なスケルトンが大勢のアンデッドを従えて侵攻しているのが見えた。


「停止」


一言で急停止したせいでラストが落ちかけたが、元龍王で現在は庭師のパラサイト君が首根っこを掴んで助かってる。


パラサイト君は異世界の文明を取り入れ、羽織袴姿で普段から行動している。使用武器は刀とかいう剣に似た武器。


特製だからなのか凄く重い。軽量化の魔法を付与せず地面に落とすだけで地面が割れる程には重い。


そうそう、龍だけど今は人の姿、んで女性なんだけど、元龍王とだけあってその細腕からは想像できない程のパワーを見せてくれる。序でに口から光線吐く。


角とか翼は生えてない。勿論尻尾もだ。龍王クラスになればその程度隠すのは容易いのだろう。


「…気を付けて、ラスト」


「ありがとぉ」


「ボロス君、獄炎を」


「任された」


インフェルノって言う奴もいるけど俺は獄炎って言う系の人だよ。詠唱?龍種がするわけないじゃん。


俺?俺もするわけないじゃん。S級だし賢者の息子だよ?


「ぬぅ…!何だ貴様等!」


「そこの骸骨、あぁお前じゃない、デカい骸骨!フロルを困らせたから万死に値する!」


「何を…!我らは戦いを求めているだけだ!もっと使ってくれれば―――」


「馬鹿なのか?!」


「なっ!」


「確かに今そこに立ってるのは獄炎に耐えた強者だ。だが!お前等夜しか戦えないし脆い!」


「我らが個ではなく集となれば良いのだ!」


「聖魔法」


「あっ」


「はい、死ね~。デミウルゴス、やっちゃって」


「うむ。……どの魔法でやるのがカッコいいと思う」


「老執事が繰り出すとカッコいい技ってなんだ…?」


執事は執事だけど若い訳ではなく、老人寄り。ただし侮ってはいけない。何せ初代の魔王なのだから。その実力は俺が良く分かってる。


「あ、あの…ケジメの為にも私がやって良い?」


「フロルが?うん、良いよ」


「じゃあ…黒雷!」


黒い雷が雲一つない所から発生し、地面に蔓延る死骸を消し飛ばした。死骸と言えどアンデッドなだけだが。


生き残ったのは…レイスか。まぁ聖魔法以外は受け付けない特殊な奴等だから仕方ないか。


「聖魔法は使える?」


「魔王に聖魔法を求めないで…」


「「え?」」


「え?」


「デミちゃん?」


「使える」


「ラスト?」


「使える」


「ボロス君…は期待してない」


「…使えるぞ、簡単なのなら」


「えぇ…?んじゃパラサイト」


「余裕ですね」


「ヴォイド」


「基本的に魔法が使えん」


「そうだった」


ヴォイドは騎士。支援系の魔法を自分にしかかけられないが、戦闘能力に関しては最強と謳われた悪魔。


「…レイちゃん」


「使えるよ!」


レイちゃんは二代目魔王。闇と聖を混ぜた技が多く、非常に恐れられていた。今はヴォイドと共に騎士。…絶対に怒らせちゃダメな女性の一人だ。


「………フロルは?」


「使えない…」


「…よし、明日から俺が教えてやる」


「本当?!」


「おう!…さて、レイちゃん頼んだ!」


「任せて!」


パチンと指で音を鳴らした瞬間、眩い光が地面を突き破って溢れ出し、レイスを全て消滅させた。


「ほい!」


「んじゃ帰宅~」


――――と言う事で言えに戻り、今呼べる仲間を全員呼んでみる事に。


「と言うわけで現在来れる仲間だよ」


「私は執事をやっているデミウルゴス。以後お見知りおきを」


白髪の老執事。黄金の瞳で睨まれると怖いけど、睨まれるのは基本的に敵。瞳孔は赤色だから何となく怖さが助長される。


「私は庭師のパラサイト」


赤い髪と瞳、黒い瞳孔の元龍王。龍の姿になる事は無いが、翼を生やして活動する機会は多々。


「メイド兼ペットのボロス」


言うまでもないただのメイド。おっちょこちょいではある。黒髪なのは同じだが、黒瞳に黄金の瞳孔。


「天才のラストだよ!」


まぁ妹的な存在だが、亜神なので気を付けよう。しかも死神。


「騎士のレイ」


レイちゃんと呼んで欲しいらしい。めっちゃ可愛い。赤い髪と瞳孔、黒い瞳が特徴の二代目魔王。怒らせたら駄目。


「同じく騎士のヴォイド」


脳筋と言えば大体の人が納得する体系だ。しかし何気に策略家なので主に作戦を立ててくれる。髪の毛は無い。青い瞳は綺麗。瞳孔は黒。


「魔術師のテンペスト」


多分俺が知る中なら魔王の中で魔法に関しては最も強い。三代目の魔王で体力はほぼ無い。だが魔力は無限にある。


しかし体力が無いのは欠点で、魔法を使い過ぎると思いっきりぶっ倒れる。


まぁそういう所が可愛いと言えば可愛い。ラストと同じで妹だと思ってるしな。


緋色のボブヘアーに緋瞳、黒い瞳孔が特徴。最近は…剣を扱えるようになったらしいが信じようと思ったことは無い。


「今はこんな感じ」


「???」


「……どうしようデミちゃん、少なすぎたみたいだ」


「しかし他の者は現在屋敷で寝ております故…」


「こうなったら起こしに行くしか…!……えっ、まだ寝てるの!?」


「寝ております。結界も張ってあり、アールの魔力増長のせいで永遠に燃え続けるので誰も近付かないでしょう。というか観光場所になりそうです」


「何と言う事だ…!召喚するか…」


「…ねね、お兄ちゃん。気絶してる」


「そんなにショックだったの!?…召喚出来ない!?」


「緊急時以外召喚しない約束」


「そうだった…」


う~む、取り敢えず…寝るか。眠いしフロルも寝ちゃったし仕方ないよね!

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