第2話 料理教室でズタボロに
今日は仕事が休みだ。
惰性で続いている料理教室に参加した。
この料理教室にかれこれ50万払っている。
不器用な舞歌は、料理がなかなか上達しない。
料理教室のスタッフにとっては、いい金ズルである。
料理教室の先生がグループの皆に言う。
「今日は魚の三枚おろしを練習します。
まずはお皿選びからね。」
正直、皿にこだわりは無い。
生徒の1人が
「これがいいんじゃない?」
別の生徒が
「いいね。合わせる小鉢はこれで。」
舞歌が言葉を発する前に皿選びは終わっていた。
先生が魚の3枚おろしの見本を見せる。
「最初はゆっくりね。」
他の生徒が包丁で丁寧に切っている。
舞歌の切った魚は、なぜか上手くいかなかった。
いつも不器用になってしまう。
先生の助けを得ながら、やっと出来た。
コソコソ。
先生同士が舞歌に聞こえるように陰口を言う。
「なかなか上達しないわね。料理教室に三年通っているのに。」
はぁ。
舞歌は惨めになって下を向く。
下唇を噛み、泣くのを我慢する。
他の生徒が
「皿洗いやっといて。」
と押し付けてきた。
断れない舞歌は嫌々ながら、皿を洗う。
皿は、魚臭かった。
つまらないな。
もう料理教室辞めよう。
自分には合ってなかったんだ。
帰宅してホッとしたら涙が出てきた。
不器用な自分も、怒らない自分も、断れない自分も、本当に嫌気が差す。
明日は仕事だから早く寝よう。
寝て忘れよう。
不器用アラサーが転生して @coh
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