9ネコ ネコ部の合宿

(ネコ部。それはルナが密かに結成した部活動である)


(ちなみに俺もその一員らしい。他にもカナが一緒だ)


「部活で合宿いこ?」

(急に提案してきたルナ)

「なによ。唐突ね♡」


「ええ。いいじゃん! あのモカも一緒にいけるチャンスじゃない!」

「まあ、カナもいいけど……♡」


(ということで突然決まった合宿)


(二日後、ルナから電話が入り、すぐに合宿に向かうことになった。もちろんモカも一緒だ。今はキャリーケースに入っている)


「さ。ついたよ!」

(意気揚々と声を張り上げるルナ。後ろではへばっているカナが見える)


「モカ、一緒にお風呂はいろうね~♪」


(ルナのお風呂姿 ――妄想――)


『もう。モカったら、そんなところ触らないの!』

『ルナったら、こんなに厭らしい身体して♡』

(ルナとカナが組んずほぐれつしている)


『この腰、すごい曲線美ね♡』

『もうカナはえっちぃなぁ~』

(ルナの吐息が漏れる)


『そうそう。こっちも見ておかないとね♡』

(カナの猛攻撃に遭うルナ)


(――妄想終了――)


「鼻血出ているよ?」

(ハンカチで俺の鼻をふきふきするルナ)

「もう、どうしたのよ。急に立ち止まって」


「ほら。いこっ」

(元気よく前を歩くルナ)


(旅館の扉をカラカラと開ける音)

(部屋に通される)


「わぁあ。思ったよりも広いね」

「ええ。そうね♡」

(ルナもカナも気に入ったみたい)


「まあ、君は隣の部屋だけどね♡ さすがに男女混合は……」

「ふふ。大丈夫。彼紳士だから」

(ルナからの絶対敵な信頼を置かれているらしい)


「まあ、ここ動物OKで助かったよね。さ、モカ……!」

(にゃー!)

(新しい環境で警戒をしているモカ)


「わぁあ。可愛い♡」

「そうでしょう。そうでしょう?」

(カナに対して親のような顔をするルナ)


「そうだ。君も荷物置いたら、一緒に遊ぼっ!」

(子供のような笑みを浮かべるルナ)


(荷物を置いてすぐ)

「ささ。こっち」

「トランプだって♡」

(カードを混ぜる音)


「じゃあ、大富豪から」

「カナのところだと大貧民だけどね♡」

(一緒にカードゲームをする)


「そうだ♡ 罰ゲームありにしよ♡」

「そんなの、負けたら辛いじゃない」

「盛り上がらないよ♡」

「分かったよ」


(罰ゲームは一番の人の言うことをなんでも一つ聴くに決定)


「あー。カナの勝ちかー!」

「ふっ。悪く思わないでね♡」

(カナはそう言うと、こちらをチラチラと見てくる)


「じゃあ、罰ゲームね♡ カナの前に来て」

(俺はカナの前にくる)

「目を閉じて」

(いつになく真剣な顔をするカナ)


「あはっ♡ ちょっとした感謝の気持ちを、と思って♡ 緊張しないで♡」

(そっと顔を寄せるカナ)

(目を閉じるとカナはそっと近寄ってくる。吐息が近い)


(もしかして……キス?)


(にゃーん)

「わわわぁあああぁぁぁ。ダメ――――ッ!!」

 間に入るモカとルナ。

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