6ネコ テストとネコと
(学校の昼休み)
「熱くなってきたね。モカは元気?」
「良かった。今日は時間あるから、君の家に行くね♪」
「なんで戸惑っているの? モカに会いにいくだけだよ♪ かわいー」
「ふふ。モカが可愛いのっ! 勘違いしないでよねっ!!」
(クスクスと上品に笑うルナ)
「そうだ。テスト勉強もしよ」
「え。忘れていたの?
「もう、君は地頭がいいんだから、もっと頑張りなさい」
「おかん? まあ、わたしはお節介ものだけどね~」
「そうだよ。気がついていなかったんだ?」
「お世話するの好きなんだ」
「だから、こうして毎日、君のお弁当も用意しているんじゃない」
(弁当を取り出すルナ)
(俺は遠慮気味に弁当を受け取る)
「さ。今日こそ、あーん」
(箸を取り出し、卵焼きをつまむルナ。その箸をこちらに向けてくる)
「もう。そろそろ受け入れてもらえたと思ったのに……」
「用心深いなー。まあ、軽いよりいいかっ!」
「二人仲いいね~♡」
(カナが話しかけてきた)
「そう。カナも一緒にお昼する?」
「ごめん。放送委員の仕事があるから♡」
「じゃあ、またね。ぼっち君♡」
(手を振って教室を出ていくカナ)
(その後ろ姿をじーっと見つめるルナ)
「君、大きい方がいいの?」
「や。ごめん! 忘れて……」
(哀しげに目を伏せるルナ)
「べ、別にコンプレックスってわけじゃないんだからね」
(細々と消え入りそうな声で呟くルナ)
「さ。早く食べて勉強するよっ!」
(帰宅。ルナも一緒)
「モカッ!!」
(ルナに歩み寄ってくるモカ)
「モカ、やっぱりキミは可愛いよっ!」
(モカをギュッと抱きしめるルナ)
「可愛いねー」
(顔を蕩けさせるルナ)
「さ。一緒にするよ」
「君に言っているの。早く出して。ね? お願い」
「もう。勉強しないと再試になるよっ!」
「そう。素直でよろしい」
(微笑むルナ)
「まずは何から始める? 君はスタートダッシュするタイプ? それともスロースターター?」
「え。勉強するとき、苦手な教科からするのか、得意な教科からするのか、気になって」
「じゃあ、得意な方からやっていこうか!」
(教科書やノートを広げる音)
「まずはこの問題だね。君の未来は『
「む。聴いている?」
(にゃーん)
「むう。なんだか負けた気がする……」
(不服そうにモカを見つめるルナ)
「さ。モカも、ちょっとそっちにいて。ね?」
「もう甘えん坊なんだから……」
(少しかまうことにしたルナ)
「もう、なめるの禁止」
(本気で嫌がっていないルナ)
「やったなぁ~♪」
(笑みを浮かべて、モカを撫でるルナ)
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