4ネコ お昼休みも子ネコ

「楽しみだね♪」

(ワクワクした様子のルナ)


(お昼の校内放送の音)

「おっ! きたきた!」

『お昼の校内放送だよっ! じゃじゃーん! 今日はネコちゃんの里親を募集している、とのこと! 皆さん1年A組の天城あまぎルナちゃんに言ってね♡』

(カナがテンションの高い声で放送をする)


「わたしモカに会いたいなー」


「ん? あの子の名前だよっ。さ、一緒に会いにいこ」

(俺の手を握って走り出すルナ)


(職員室)

「すみません。子ネコどうですか?」

「ん。ああ。段ボールの中でないているよ」


(にゃーん)

「これ食べる?」

(動物病院で買ったおやつを差し出すルナ)

「じゃあ、一緒に食べようか? すみません。少しのあいだ図工室に行きます」

「おう。授業には遅れるなよ」

「はーい」


(図工室にて)

「さ、一緒に食べよ。君も!」


「いいじゃない。わたし、君と一緒に食べた、……あっ。ふ、深い意味はないからねっ!」


「んん。食べるよ」

(お弁当を広げるルナ)


「コンビニのおにぎり、だけ?」

(俺の昼飯を見て困惑した顔を浮かべるルナ)


「ほら。野菜もとらないと、あとタンパク質も!」

(ルナは自分の弁当からブロッコリーと卵焼きを差し出す)


「大丈夫、わたしダイエット中だから。食べて」

(遠慮する俺)


「いいの。いいの。わたしは毎日食べているんだからね!」


「なんなら、わたしが君の弁当を作ってあげようか?」


「迷惑じゃないってば! わたし、他人に尽くすタイプなのっ!!」


「分かればよろしい」

(鼻を高くするルナ)


(にゃーん)

「分かった。モカも食べよ」

(にゃー)

(嬉しそうにするモカ)


(ルナも弁当を食べ始める)

「あ。この料理、わたしの手作りだよ。他の人には食べてもらったことないんだよね? おいしい?」


「もう。照れないでよ」

(クスクスと上品に笑うルナ)


「はい。あーん」

(唐突に箸で卵焼きをつまみ、こちらに向けてくるルナ)

「いいじゃない。少しは意識してくれているみたい、だし?」


「なんだよ。もう……。手強いな……」

(ルナは不服そうに卵焼きを自分の口に運ぶ)


「一生ないかもだからねっ」

(ツーンと突っぱねるルナ)


(みゃー)


「モカは素直だね~。そういうところも可愛いぞ♪」


「さ。食べ終わったら、ポスター作るよ」


「デザインに自信があるから大丈夫!!」

(ポンと軽く胸を叩いて、胸を張るルナ)


「もう。本当だってばっ!」

(ふくれっ面を浮かべるルナ)


「わぁ~。君の絵、やっぱり才能あるよ~」

(嬉しそうにはにかむルナ)

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