2ネコ 「友だちと、俺と、ネコと」
「えぇ~。かわい~いぃ」
(ルナの友だちカナが子ネコを見て顔を緩める)
「でしょうでしょう! 飼う気はない?」
「えぇ~。でもトイレとか大変だよねぇ~?」
「まあ、少し大変なこともあるけど、癒やされるよ?」
「う~ん。うちぃはぁ~ママがアレルギーでぇ~」
「そっか。無理言ってごめん」
(カナから離れるルナ)
「なかなか里親見つからないね」
「あ、あの人に頼もうか?」
(ルナが通りがかった人を見て駆け寄る)
「ネコ飼いませんか?」
「え。無理」
(即断である)
「むぅ。いけると思ったんだけど……」
「あ、きみどう?」
「いや、俺はネコというよりあんたを飼いたいんだけど?」
「?」
(子ネコと一緒に首を傾げるルナ)
「飼ってくれるの?」
(潤んだ上目遣いで訊ねるルナ)
(俺は間に入る)
「なんだよ、ちっ」
「あれ? 飼ってくれるんじゃないの?」
(困った顔をするルナ)
「こら、何をしている」
「先生! この子を飼ってくれる人を探しているのです」
「分かった。状況を聞く。職員室にこい」
「ほら。いこ。君も」
(ガラガラと職員室のドアを開ける音)
「で。その子ネコは?」
(説明をするルナ)
「それは悪いことじゃないが、責任がともなう。分かっているな?」
「はい。君にもセキニンとってもらうからね?」
(こちらを見て、にへらと笑むルナ)
「ふたりとも、だ」
「はーい」
「とはいえ、学校側でも何もできないわけじゃないんだ」
「本当ですか!?」
(目を輝かせるルナ。声もワントーン高い)
「ああ。放送委員会に頼めば、里親が見つかるかもしれない。掲示板に掲載する方法もあるだろう」
「ありがとうございます!」
「それまで職員室でこの子ネコを預かるぞ」
「本当ですか!? ありがとうございます」
(ガラガラと職員室のドアを開けて出る音)
「ね、君も一緒に探すの。まずはポスター作ろうよっ!」
(俺の手をとって華やぐルナ)
「もう、そんなに顔を逸らさなくていいじゃない」
(照れ隠しとバレていないらしい)
「さ。そうと決まったら図工室に行こう!」
「え。先生の許可を? そっか、そうだね」
(再び職員室で図画工作に必要な道具を貸してもらえることになった)
(俺とルナは図工室に入る)
「うにゃー。色々とあってどうしたらいいかな?」
「むー。君も意見を出してよ……。ふたりでやる意味ないじゃない……」
(唇を尖らせて抗議するルナ)
「ま、ネコの絵を描いたいいよね。確か種類は……」
「そう! アメリカンカール!! かわいいよね~」
(うっとりするような声)
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