シュールと言えば、今となっては前衛芸術かギャグくらいしか浮かばないのだが、
実際のところ、非常に強固な意志が問われる分野なのだという。
シュルレアリスム、ダダイスム。
無意味かと思われる領域に意味を見出す挑戦を、豊富な例を含めて紹介する評論。
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人類の最大の発明が言葉であることは間違いなく、
言葉があらゆる混沌を生み出す産物であることも間違いない。
歴史上では多くの言葉が作られ、ルールを作り上げてきたが、それでも「例外」のほうがよほど多いだろう。
言葉の例外……無意味さに触れることは、一種の禁忌だと思う。少なくともそれを突き詰めると、一般的な友達をなくしてしまうだろう。
そうならないために、ルールを設けて守ってきたのだから。
ただもし、その暗黒の海洋のどこかに意味が沈んでいたと喜べるのなら、
それはその人だけのめっけもんとして、大切に扱ったほうがいいかもしれない。