魔法を一つも覚えずに転移した国から追放され牢屋へ入れられたが、スキル【AI生成メニュー】を駆使して王国を離脱し生きようと思います
第33話 とんだ急展開! メイドの一花、二花登場。予期せぬ来訪者まで!?
第33話 とんだ急展開! メイドの一花、二花登場。予期せぬ来訪者まで!?
魔王と交渉することになったが、一体どうしたもんか。
それがさっぱり分からないままだ。
交渉ってあれだよな? 政治家とかがよくやる、金とか黄金のお菓子とか渡してチョメチョメしてもらうやつだよな。
「それで、魔王にどんなわいろを渡せば交渉出来るんだ?」
「わいろ……ではありません。交渉です。下手な行動は
それが魔王の名前か。もっとこう……デスピエーロとかオルコデミグラスソースとかヒルドラッスとかダークドレミファソとか怖そうな名前じゃないんだな。
「町ごと移転した方がいいって何日くらいまでにだ?」
「
「動きを監視されてるのか?」
「ええ。この国はマジックオブコート。国内の監視は周囲を敵国で囲まれているからこそ強力です。ですがマジックアカデミアは……あちらの動きが一番の問題でしょうね」
「ふーん……んじゃ俺は町民を移送させる準備してくるから」
「お待ちを。魔王との交渉は直ぐ行います。同行してもらえま……」
「ライオット様。失礼します」
とボッチが言いかけたところで突然二人のメイド幼女が現れた!
びっくりした! どうやって登場したの?
え? 何この子たち。幼女じゃない? 獣人……小さい獣人なのか?
獣耳じゃない変わった耳してる。魔族か? 分からん、見たことが無い種族だ。
「来客のようです」
「……この時間にですか。まずいですね。エイトさんたちは奥の部屋で指示を待ち、彼女たちの言うことを聞いてもらえますか。その部屋の中であれば魔法探知スペルに厳重な防御を張ってありますので」
「ん? なんだって? 魔法探知スペル? なんだそりゃ」
「こちらへ」
おいおい。突然現れたのもびっくりしたが、このメイド……リーアみたいにとんでもないバカ力だ。
強く引っ張られて無理やり奥の別室へ移動させられた。
……こりゃただの孤児ってわけじゃないな。
ついでにミミーとヤーレンも、もう一人のメイド幼女に引っ張られ連れて来られた。
ここはボッチの執務室か。きれいに整ってるな。
その幼女メイド二人は左右に並んで俺の前に立ち、じっと見つめて来る。
くっそかわええと思うのだが、そんなことを言う雰囲気ではない。
「おいお嬢ちゃんたち……」
「初めましてエイツ。ライオット様の第一メイド、
「申し遅れましたエイト様。ライオット様の第二メイド、
「あの俺、名前エイトなんだけど。左の人……一花さんだっけ。間違えてるんだけど」
なんだこの二人。
特色ある耳がカチューシャの陰から顔を出している。
犬とか猫のような耳じゃない。
どんなのがいても不思議じゃない世界だが……この町、人少ないよな。
なら直ぐにでも魔王に受け入れられるんじゃないのか?
俺の正面左側がやる気のない表情で命令形の長女一花。
右側がしっかりしてそうな次女っぽい二花か。
顔は似ているが耳の色が違う。一花はピンク色に中心が黄色いスイレンのような色合いの耳。
二花は白色の耳で中心が黄色っぽい。
カチューシャにその色と同様の花があしらってある。
これはきっとボッチの趣味だな。
「守るっていっても戦闘なんてここじゃ起こらないだろ?」
「そうね」
「いいえ、この先何があるか分かりません。一姉は不用心です」
「それより静かにエイツ。来客はマジックアカデミアから来た勇者一名、護衛二名」
「……勇者!? それより俺、エイトなんだけど」
突然の出来事過ぎてよく分からん。
大体勇者ってあれだろ? 特別な力を持った……異世界の召喚者か!
どうやら来客者との話が始まったようで、扉の向こうから話声が聴こえてくる。
「使者殿。突然の来訪、一体何ようかな?」
「ん-。僕の領地にするには小さいなぁ。そう思わん?」
「ええ、ええ佐々木様」
「佐々木って呼ぶな! ナオキって言え!」
「失礼しました、ナオキ様!」
「あんた……ええっとライオットだったっけ。マジックアカデミアに寝返ってよ。領地を明け渡してさ」
「どういうことですか? 今の発言、正気とは思えません」
「正気じゃないって? いやいや正気だよ。ここさ、邪魔らしいんだよね。マジックアカデミアにとってさ。いい加減野放しにしてる魔王も城に引きこもって何もしない勇者もマジックアカデミアに従属させたいらしいんだと。僕としてはさぁ……楽しく
「ご冗談を。狩猟でしたらマジックアカデミアでも可能でしょう?」
「あはは、何いってんの? ただの狩猟じゃねーよ。そうそう狩猟の要件はもう一つある。虫けらがここに入り込んでない? 脱獄者がいるらしくってさー。本当面倒だよねー。魔法も使えないようなゴミで、能力は下ネタトークだって聞いたんだよ。まじでうけるんだけど」
「あいにく虫には詳しくないもので……それに私の知人はどなたも優秀ですからね。個々の能力は魔法の差異で判断しておりませんから。スキルも使いようでしょう?」
「なんかお前むかつくな……まぁいいや。それで? 明け渡すの?」
「そうですね……十日間の
「十日? うーん、お前むかつくからなぁ……」
「佐々木様! 魔法探知に反応がないためここにはいないようです」
「佐々木って呼ぶなっつったよね? 死にたいの? さて、どうしようかなぁ……」
……まずい話の流れだ。FPSってあれか? ガンアクションゲームのあれなのか? FPSマニアかこいつ?
ていうか俺、ここで話聞いてる場合じゃないよな。
こいつら追ってるって俺のことだろ。
「エイト様。ライオット様よりの合図です。予定を大幅に変更。マジックアカデミアの使者を引き付けている間に、魔王との交渉を行うように知らせが入りました」
「二花だったか。俺にそんなこと出来ると思うか? 大体魔王ってのも良く知らないんだぞ」
「エイト様は高い能力をお持ちだとライオット様は日々仰っています」
「にわかには信じられない。でもライオット様の命令なら仕方ない。急いで行くよエイツ」
「お、おい。私とミミーはどうしたら……」
「ポンコツ騎士様はそこにいて下さい。
「ポンコツに用は無い。箱にも用は無い」
「なんだ……!」
急いで口をふさいだが危なかった!
大声出そうとすんなバカヤーレン! ミミーですら大人しく……寝てるわ。
くそ、どんだけ巻き込まれりゃこんな事態になんだよ。
分かったよ行くよ、行きますよ! このままじゃ領民FPSコースだ。
洒落にならん。俺だけ逃げても夢見が悪すぎる。
――ダブルメイド幼女がボッチの執務机をガサゴソすると、地下に降りる階段が現れやがった。
こういうのは俺の冒険心をくすぐるしAI生成したくなるが、そんなこと考えてる場合じゃない。
二人に従って向かった部屋は紫色の大きなヘンテコな装置がある部屋だった。
なんだこれ。魔道具ってやつか? これで通信出来るの? 電話みたいなもんか?
よく分からんがダブルメイド幼女がその装置の両脇から手を触れて俺を見る。
はぁ……何させようってんですかね。
サタン的な奴が出てきていじめられるんですかね、俺。
「魔王プリンシアとの対話、始めるわ、エイツ」
「魔王プリンシアとの対話を開始いたします。エイト様」
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