1章 「成功の犠牲」

1節 大企業の社長の死

私は2007年の4月の末にある病院の一室で息を引き取った。享年86。


仲間内で創った小さな会社を業界最大の大企業に育て上げ、人望も厚く、多くの社員に囲まれ、惜しまれながらの死であったという。


葬儀は多くの人が参列し、大々的にニュースでも取り上げられた。


───しかし、そこに妻子や、ともに創業した仲間の姿はなかった。


自分が原因なのは理解している。

仕事に飲まれ、結局大事にしてやれなかった家族、方向性の違いで決別した旧友たち


結局私が得たものは何だったのか。

大事なものとは何だったのか。

・・・いったい「成功」とは何か。


死してなお思考をし、このような難問に向き合う...。

それが私の罪滅ぼしになるのなら。


そう考え、私は指示された場所へ向かう。

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人生の終着展 幸原。 @take_tanutake321

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