人生の終着展

幸原。

プロローグ

プロローグ ──人生の終着展──

町の外れに変わった博物館がある。


いつもは職員はいなければ、客もいない。

なぜなら、誰もこの場所の存在を知らないからである。


自力で訪れることは絶対にない。

そして、もし仮に偶然何かの不思議な力でたどり着いたとしても、その記憶は博物館の「展示」をすべて見終わった瞬間、消えてしまう。


そんな博物館に訪れる人間は、何も変わった人間だけでも、平凡な人間だけでもない。


何かの意思か、はたまた偶然か。共通点のない人間がごくまれに訪れる。

・・・いや、迷い込んだ、というのが適切か。


これから綴るのは、得るものの何もない、まったくもって不思議で、理解しがたい何かを得る、博物館の話である。

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