第3話
気が付くと、
朝だった。
私は電線に止まっている
鳩になっていた。
やれやれ。
今度は鳩か。
すると、
いままでの、
天道虫だった私、
風間鈴音だった私、
あれは夢か幻だったのだろうか。
そんなことを考えていると、
不意に空腹感を覚えた。
何か美味しそうな
朝食が何処かにないかな?
すると、
ちょうど、
風間鈴音が
ティッシュで捕まえた天道虫を、
例の原っぱに逃がしてあげていた。
その天道虫は、少し歩いたあと、
動かなくなったが、
原っぱに隠れていた
仲間の天道虫たちが、
心配して、
集まってきていた。
(チャンス!)
鳩になっていた
私の目は
鋭く光ったに違いない。
私は、
この好機を逃すまいと、
即座に電線から飛び立って、
その原っぱに降りたって、
集まっていた天道虫たちを
次々と啄んでいった。
相変わらず、
天道虫は美味しいなあ。
私の一番の好物は天道虫なんだ。
そして、
集まっていた天道虫たち、
20匹くらいを全て平らげた。
ああ神よ。
えも言われぬ幸福を
与えてくださって、
ありがとうございます。
私は満腹感を感じながら、
神に感謝した。
ところが、
急に腹痛を感じて、
もがき苦しみ始めた。
なんと、
平らげた天道虫の中に
毒を持った
新種の天道虫が
たまたま混じっていてたのだ。
そして、
私は数分後には、
息絶えていた。
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