第8話 戦う盗賊の道7
ダンジョンから出る帰り道に、父さんがスライムの部屋に案内してくれた。
覗いて見ると、半透明の液体と丸い目のような物が、プルプルと張り付くように、ゆっくりと、動き回っている。
「投げナイフを一本、貸してほしいんだけどダメかな?」
父さんにお願いする。
「いいよ、何に使うのか興味があるし。」
「ありがとう。あとククリはスライムの丸い所を短剣で刺してみて、危なくなったらお父さんが助けてくれたら嬉しい。」
「わかったよ」
ククリと父さんが頷く。
部屋に入り一番近くのスライムの丸い目のような所をめがけて、ナイフを近付いて投げる。
すると目が割れて液体になって消えてしまった。
他のスライムは我関せずのため、危険はないようで、それを4匹繰り返す。
また頭のなかで、ピコンと音がする。
ククリも4匹短剣で倒した所で、キョロキョロしている。
全て倒したが、今回は宝箱は出て来なかった。
ククリと共にステータスを確認する。
ククリは,
『ステータスオープン』
盗賊 LV2
力 5 →8
丈夫さ 5→6
素早さ 10→12
器用さ 10→12
魔力 3→4
運 8→13
ステータスポイント
4ポイント
【スキル】
索敵Lv1、罠解除Lv1、鍵開けLv1、
マッピングLv1
短剣使いLv1、弱点特化Lv1
になっていた。
父さんは驚き、ククリは驚きと嬉しそうな顔で声にならない、雄叫びをあげている。
俺もステータスを確認する。
『ステータスオープン』
盗賊 LV3
力 8→12
丈夫さ 6→7
素早さ 14→16
器用さ 11→15
魔力 4→5
運 12→15
ステータスポイント
8ポイント
【スキル】
索敵Lv1、罠解除Lv1、鍵開けLv1、
マッピングLv1、
短剣使いLv1、回避Lv1
弱点特化Lv1、投擲Lv1
父さんにステータスを見せる。
「投擲がついたよ。
多分だけどレベルがあがると、その時に一番使ったステータスの数値がよく伸びて、スキルの条件をクリアするとスキルが身に付くんだと思う、もちろん職業によるとは思うし、いろいろ試さないとわからないけど。」
父さんは、驚きと難しい顔で、何か考えこんでいる。
ククリがよってきて、投擲がついたことを確認すると、他にもスライムを倒したいと言い出した。
「今日の所は帰って、商人ギルドと教会によろう。」
父さんに促される。
「それがいいと思う、さっきのゴブリンでかなり疲れたし、危険があるかもしれないしね。」
ククリは残念そうだが、ゴブリンの事を思い出したようで、素直にダンジョンを後にする事になった。
ダンジョンを出て商店街につく、俺は父さんに、
「ベルーガ商会によってベルーガさんを連れていこうよ。」
「そうだね。ベルーガさんにギルドの紹介をお願いしよう。」
ベルーガ商会に着き、ベルーガさんを呼んでもらう。
「クロームと小僧たちか、俺に用事ってどうした?」
「3人でダンジョンに行ったら産物がとれたからギルドに紹介してほしい、産物を売るのが初めてだから。」
父さんが、経緯を説明する。
するとベルーガさんがこちらを見て確認してくる。
「本当にスキルがでたのかい?」
「うん、短剣使いになったよ。」
「なるほど。わかった一緒にギルドに行こう。」
ベルーガさんは一瞬驚き少し嬉しそうな顔で答える。
「ベルーガさんが、買い取りはできないの?」
「ギルドで指名してくれたら出来るよ」
「なら指名するから今後も取引できる?」
ベルーガさんが商人の顔つきになる。
「もちろんできる。
それに商人ギルドで、契約してもらえれば、店でも買い取りが出来るよ。
それに出来れば盗賊ギルドの買い取りは、うちの商会を指名してほしい。」
が難しそうな顔をして黙りこんだため勝手にすすめる。
「条件次第かな、ダンジョン協会は多分手数料が高いだろうから、ダンジョン協会より高く買い取りをしてほしい。
盗賊ギルドの買取を独占したいんでしょ?」
ベルーガは一瞬鋭い目をする。
「ホントに小僧は、いやビアンキくんは、大物みたいだな。
うちが責任を持って買い取るし、そっちが不満なら止めてもいいって条件で初めてみるのはどうだ?
その代わり納得いくようなら、うちに任せてほしい。」
ベルーガさんは、こちらを真剣に見つめてくる。
「父さんベルーガさんは信用できると思うよ。」
父さんが頷く。
ベルーガさんと共に商人ギルドに向かう。
商人ギルドはかなり大きく綺麗な西洋風の美術館のような建物で中に入ると受け付けが並んでおり。
看板がかけられ、鑑定窓口と買い取り窓口があり、他は特に看板はかかっておらず鑑定窓口と買い取り窓口意外は、ガランとしている。
父さんに、ククリと鑑定窓口に指輪を持っていくように言われ、ベルーガさんとクロームは別の受け付けに行こうとしているが、父さん一人で心配だなぁと思いながら鑑定窓口に行こうとすると、ベルーガさんに引き留められる。
「ビアンキくんは、こっちに来たいんじゃないか?」
「邪魔にならないなら着いていきたいけど・・」
「クロームさん、鑑定は一人で大丈夫ですよ。」
ククリが気を利かせてくれた為、3人で別の受け付けに行き、奥の部屋に案内される。
ベルーガさんが書類を取り出して、さっきの条件で契約をすませる。
父さんがバックから魔石を取り出しベルーガさんが確認する。
「金貨1枚でどうかな?協会なら銀貨7まいのはずだよ。」
「そんなに高く買い取って大丈夫なのか?」
父さんはビックリしている。
「もちろん利益は出るし大丈夫だよ。ビアンキくんもそれでいいかい?」
「もちろん構わないけど、教えてほしい。
ダンジョン協会は実際どれくらい手数料をとってるの?」
少しこちらを伺うような顔をしたが、何かを決意した様子でクロームさんが答える。
「正直多分4割位だと思う。
俺も儲けの1割は商人ギルドに払わないといけないから、この金額で納得してほしい。」
「もちろん問題ないよ。教えてくれてありがとう。」
「ダンジョン協会の買い取りがそんなに低いなんて知らなかった。」
父さんは少しショックを受けている。
「ダンジョン協会は立派だったし、アカデミーの運営にもお金がかかるだろうから、多分手数料がかなりかかると思ってたんだ。」
前世の記憶があるから俺からすると、当たり前の話しであるが、父さんは考えもしなかったんだろう。
取り引きも終わり部屋を出るとククリが鑑定結果の紙を持って、待っていた。
鑑定の結果は、
『そよ風の指輪』
速さを+2する効果がある。
買い取り価格は、銀貨5枚でステータスアップが、速さのためあまり人気がないらしい。
人気があるのは、力、魔力、丈夫さとの事だ。
ベルーガさんがもし売るなら店に持ってきてくれと言い残し、用事があるからと先に帰っていく。
クロームから分配しようと言われたが、
「僕は助けてもらっただけだからもらえないです。次回は役にたつように頑張ります。」
ククリがそう言って指輪をクロームに渡す。
クロームがこちらを見てくる。
「指輪は速さだし、売ってお金にして、半分にしようか。」
「僕は指輪がほしいから、お金は父さんが、全部もらっていいから指輪はくれないかな?
後おこずかいをくれたら嬉しいな。」
甘えた態度で父さんにお願いすると指輪と銀貨を2枚くれた。
「次からはちゃんと取り決めをして、ダンジョンに行こう。」
父さんが、ククリと俺に取り決めを話しながら、商人ギルドを後にして、教会へ向かった。
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