ショウモナノート
@soraruri
第1話で終わるかも
給食を食べ終えた昼休みの教室。
「しょうもないノートを拾ったんだ」俺は言った。
「しょうもないノート?」クラスメイトの山田が首をひねる。
「いまお前、何言ってんだコイツって顔しただろ?」
「いや、今のは完全に何言ってんだコイツ案件だろ」
「信じられない気持ちは分かる。だがノートの力は本物だ」
「ふぅん、で?」
完全に山田は俺のことを小馬鹿にしている。とりあえず話題に乗っかっているだけだ。
いいだろう、このノートの力を見せて開いた口を塞がらなくしてやる。
「このノートにしょうもないことをさせたい相手の名前を書くと、そいつの言動をコントロールすることができるんだ」
「いやそれスゲェじゃん、全然しょうもなくないぞ」
「しかし、しょうもない事しかさせられない」
「つまりアレか、ビルから飛び降りろとか、あいつを殺せとかはさせられないってことか?」
「ああ、お前で実験済だ」
そう言って俺はノートの最初のページを開いてみせた。
「ホントだ! 1ページ目が俺の名前でビッシリ! ってなにしてくれてんじゃい!」
「それから女子に対するエッチな命令も不可だった」
「ああッ!? 俺の名前に挟まれるように所々にクラスの女子の名前が! 普通にキモッ!!」
「どうやら公序良俗に反する命令はダメなようだな」
「だったらどんな言動なら発動するんだよ」
「そうだな、それでは実際にノートの力を見せてやろう」
俺がニヤリとほくそ笑むと、山田は喉をごくりと鳴らした。
「ターゲットはあいつにしよう」
「あ、あいつは意味もなくイキってみんなから煙たがれている西岡じゃないか……」
俺はシャーペンをクルリと回してしょうもなノートに芯を当てて、「西岡春人は今から一年間ずっと語尾に『ルンッ!』と付けてしまう」とノートに書き込む。
「しょうもなッ!」
山田の声が教室に轟いた。
――――――――――――
面白くなくてもしょうないと思ったら★やブクマ、感想にレビューなどお願いします!
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます