12.再度

 TS転換で女の子になって、またTS転換で元の男に戻った僕は、榧白かやしろと付き合い初めて初の春・・・を迎えた。ちなみに、この〝初の春〟に変な意味は無い。普通に新学期になったという意味だ。

 十二月二十五日からおよそ三ヶ月さんつき

 年越し、初詣に行き──そして、他愛もない会話していて新学期になってより深まった関係。

 〝男の日夏も女の子の日向もどちらも私は好きです〟という絶対に聞かないであろう告白を受けて今。

 「あーあ、日夏が日向だった頃が懐かしいよぉ〜」

 「それなぁ、あんなに色気ないにしても可愛かった日夏が男に……。」

 「おいこら、それはどゆことだ!元々の僕は今の僕だぞ」

 そんな会話を三人と繰り返す横で口を手のひらで隠しながらも笑う彼女の榧白かやしろ

 「でも、今の日夏さんも私は大好きですよ??」

 それを聞いた碧は肘で僕の脇腹を突きながら言う。

 「こっのぉ〜幸せ者めぇ〜〜!」

 ちなみに、碧と夜は普通に継続している。凄すぎるだろこいつらと思いつつ榧白かやしろに目を向けると頬を赤らめていた。言った後に恥ずかしくなることはよくある事だ。それを見て僕は「可愛い〜」と思ったというのが本音だ。

 まぁ、その日以降、入学式やらの学校行事や部活のやつであんまり時間が取れなかった。高一の後輩が話しかけてきたりするようにもなって順風満帆と言った所だろうか?

 そうして、気が付く頃には昨年のTS現象が起こった季節と被った。

 偶々、同じ最後の大会で一位を争った榧白かやしろとあの道を同じようにアイスを食べながら歩く。

 そして、去年のことを思い返しながら述べる

 「去年、ここで榧白かやしろに遭遇したんだよなぁ、まぁ、その時は美少女だぁ!としか思ってなかったけど──」

 そういう僕に「もう、」と火照りながらいう声を聞きながら、言葉を続けた。

 「そんで、その時に〝朝に目が覚めたら美少女になっていますように〟と何気なく願って……次の朝に女の子になってた」

 「普通の人なら絶対に信じられない話しだけど、それは日夏君が経験した事実だからね」

 榧白かやしろが微笑みながら返事をする。

 「まぁ、そんなことはきっとないと思うけどね。いい経験だった」

 「ふふっ、まぁ、またあっても私はいいけどね」

 「なら、うん、いっか?……いや、やっぱり普通がいいや。」

 そして、そして、そして、


**


 デジャブとはまさにこの事だろう。盛大にフラグを建ててしまったからなのは言うまでもない。


「……うぅ、、眩しぃ……」

 窓から陽射しが目を刺し、温かさと眩しさで目を覚ます。そして、手探りでスマホを探して時刻を確認すると時刻は六時だった。

 ポリポリと首の裏を掻きながら言葉を零す。

 「うわぉ、寝すぎたァ」

 「あれ、?声高いな……?」

 ベットから起き上がろうと身体を起こそうとする。然し、若干重い。

 「う、嘘だろ?ま、まさか?」

 そして、眼鏡をかけて姿見の前に立つ。

 するとそこには、まさかのまさか、肌白く華奢な体型に、豊満な果実を実らせ白銀ホワイトシルバーの胸元まで伸びた髪の顔立ちのいい眼鏡美少女が居た。

 そう、去年と同じように美少女になっていた。

 そして、胸元に手を押し当てるとマシュマロのようなムニッとした感触が手の平に伝わり、なんとも言えぬ感覚を覚えた。つまりは本物の胸である。

 「ま、またなっちまった?!」

 「何気なく願っただけなのに」


 またもや、何気なく願ったら美少女になってしまった──。


───────────────


終了です。

私自身の妄想を文字に起こした結果の物語で、いわゆるエッセイ?なのかなって感じのものでした。

早く終わらせたい気持ちが先走ってしまいましたこと申し訳ございません。


お付き合いありがとうございました

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

何気なく願ったら美少女になってしまった。 矢瀬 游 @Hysale

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ