10.憂愁う悶々日和
何ら変わりない日々の中で思うことを述べる。
「ねぇ、
「うーん、確かにそうかもね〜……でも、別いいんじゃない?」
「キャンプ後に結構変わった気がするんだよ、何かしたっけか……?」
「行ってなかった私にそれ聞かれても分かるわけなくない?w」
そして、頑張って呼び起こそうとする。
のぼせてアウトドアチェアに座り込んだことまでは綺麗にフラッシュバックする。しかし、何故かそれ以降にどう動いたかの、ブレインフォグという現象だろうか記憶が
そして、その
「あぁ〜、クラクラするぅ〜」
「もぉ、二人とものぼせちゃったの?仕方ない、手を貸すからテントの中で休んで。夜は日夏の方を運んで。」
「仕方ねぇな、ほら日夏、手を貸せ」
そんな、会話をした気がする。
確か、その時に……「あぁ、うぅん、夜ぅ、ありがと」と発言した気が……?
それで、それで……それで──それから?
確か、頭が痛かったから頭に手を置いて、
「
「──甘えられた?、確か、」
そう僕が話すと、
「あー、よくあるパターンだ!それ、漫画とか小説で読んだ気がする。その場合は相手がなにかやっちゃって、気にしてる時じゃ!!」
そんなラノベの読みすぎな
「お前は直ぐにそういうもので得た知識を当てはめて……」
僕がそう言うと「本当の
「話、聞いてくれてありがと」
とまぁ、ここで気付いてないフリをやめよう。
「
そう問いかけると、ガッという音と共に苦く微笑みながら出てくる。まぁ、きっと
今日は秋季におこなっていた夜の文化祭に足を運んで家に帰ってきて──こんな話しをしていた。そして、にっこりと笑みを作って問い質す。
「
下の名前で普段は呼ばない僕が呼ぶと共に〝さん〟を付けて聞いたことで少々の威圧感は出たのだろう。冷や汗を掻きながら言った。
「さ、最初から……です……すみません」
その今にも泣きそうな目をしながら正座している
「ごめんごめん!冗談だよ、だから……さ?そんな顔しないで」
「あ、あぁ、よ、良かったぁ、」
そう言葉を零しながら肩から脱力している。でも、まぁ、泣きそうな潤目は正直「可愛かった」けど。
「え、か、可愛い?」
はっと、しながら口から溢れ出た本音を思い返す。
「え、いや、その、あの」
「今、可愛いっていいました?!言いましたよね!日夏君〜」
とても嬉しそうにそういう
「うん、常に思ってる事だよ。可愛い」
開き直った結果、顔を赤らめながら訳の分からないことをつらつらと話し出す。パニックではないにしてもそこまで?という具合に──僕が思い出せなかった記憶までもを述べていた。
「あばはぁ、!?そんな、言われてもあのキャンプの時に火照ってたからってキスしたとかくらいしかないですよ?!あ、あと、暑くて脱ぎ出した後に抱きついたとかも──」
何もかもが空耳。初耳。何言ってんだろう?と聞きたいレベルのラッキーを味わってて〝覚えてない〟という主人公の僕。
なんというか、意味わかんなくね……。
そんなことを思いながらどう言葉を返そうか考えていた時。やばい発言に気づいたのかりんごのように赤い顔を両手で覆い隠しながら「見ないでください!?」というと直ぐに荷物を持って部屋を出ていった。
***
冷静になろう。どういうことか発言の意図を知ろうと考えながら思い返して
ちなみに、その頃、
「もぉ、私のバカっ!なんで、あんな、爆弾発言を……うぅ、絶対嫌われた、嫌われたよォ、」
そんなことを言いながらポロポロ涙を零しているのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます