第6話 後悔
その日を最後に、箱崎くんはその言葉の通り、いなくなった。
どこかに転校して行ったのか、退学したのか、誰ひとりその行き先も事情も聞いていた生徒はいなかった。
先生もなぜか言葉を濁した。
しつこく聞けばわかったのだろうけど、聞くことができなかった。
聞けるわけがない。
あの時、自分がもっと大人で、自分の気持ちを上手く言葉にすることができていたら、何か違っていたのかもしれない。
少なくとも、こんな思いを抱えて、大人になることはなかった。
二度と彼とは会うことができない。
高3の冬、「後悔」という2文字の、本当の意味を初めて知った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます