ハンバーグの夢
天川裕司
ハンバーグの夢
タイトル:ハンバーグの夢
ト書き〈孤児院〉
僕はハンバーグを食べる夢を見た。
おいしかった。
でも起きてみるとやっぱり空腹。
夢の内容がそのまま続いてくれたらなぁ、なんて思った。
子供みたいなこと。
でも僕は子供で、お父さんもお母さんも死んじゃって、
今は孤児院で生活している。
僕は生来の内気。
ここに来たって誰とも話すことがなく、友達もできず、
先生みたいな大人の人たちとだって
しゃべったこともない。
そんなだから、僕はここでいじめられた。
その日の晩ご飯を、そこにいた悪ガキどもに取られたのだ。
でも内気だから言い返せない。
空腹を抱えたまま部屋に戻り、
1人ベッドで泣いていた時。
こんこんとドアがノックされ、僕が唯一心を許す
優しい女の人が入ってきた。
女の人「これハンバーグ。よかったら食べない?」
「え?…いいの」
女の人「もちろん♪だっておいしいハンバーグ食べるのがあなたの夢でしょう?」
一瞬、今日見た夢の事がよみがえってきた。不思議な気分。
でも「きっとどこかで僕のこと聞いたんだろうな」と軽く思って、
僕はそのハンバーグを急いで食べた。
動画はこちら(^^♪
https://www.youtube.com/watch?v=wiVSXoMljGs
ハンバーグの夢 天川裕司 @tenkawayuji
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