ミラーボール
「何年か前に前説やってた芸人さん先月ここで見たよ。相変わらず面白かった」
「前説?」
付き合ってくれた友人は眉をへの字にする。顔を傾けて左耳をこっちへ向けているのは雑音のせいだけではない。友人は片耳がよく聞こえないのだ。言葉が脳に達するとすぐに思い出したようで「ああ」と首を縦に振る。
「ああ、山本くんとこの劇団のね?」
「そうそう。下北に見に行った」
先日ここでも漫才をやっていたのを見たのだと話すと友人は困ったような顔をした。
「あの二人解散したんだって」
「へえ、いつ?もったいない」
あんなに息がぴったりだったのに。あの夜をきっかけにまた再開でもすれば良いのになどと無責任に考えてしまう。そうなれば自分はなかなかの瞬間に立ち会えたのではないか。あの手を取り合っての双方の男泣きは胸に迫るものがあった。
「なあ先生、飲み過ぎてなかったか?」
「そんな筈ないよ。ギネス一本だけだ」
ドリンクを買うのに並ぼうとすると人の足を踏んでしまうほどライブハウスは狭い。ワンドリンク制だった為ファーストドリンクは購入はしたが、その後買いに行く気はしなかったのだ。
「解散っていうかさ、死別したんだ」
「え、」
「あの下北の後すぐ亡くなってるんだよ。眼鏡の方」
どっちも眼鏡をかけていただなんて指摘するのは意味が無いことのように思えた。無粋だとか野暮どころではない。きっと彼が問題に思っているのはそんなところではない。
「マジかよ」
「マジなんだよ」
ファーストフード店はテスト期間の学生で賑わっている。女子高生が短いスカートから伸びた足を椅子の下で組んで、革靴に包まれた爪先をぶらぶら揺らしていた。
「ダンスホールの噂知ってる?」
「あの潰れたとこ?」
「そう」
ダンスホールなんて呼ばれる場所はもう残っていない。今は古い地主が買い取って経営している税金対策のライブハウスがあるだけだった。場所代が安いので演者側にとっては都合が良いらしく出演者が途切れている様子は無い。
「聞いたことあるかも」
髪の短い方が答えた。二人とも頭を寄せ合うようにテーブルに肘を突いている。
確かミラーボールが当時のままで今でも残っているそうだった。かつて数々のバンドや歌い手たちを照らした鏡の玉だ。今でもクルクル回っているのだとか、だから何だという感想しか出てこない。
「それそれ」
フライドポテトを摘まむ指先は透明のマニュキアが塗られているのか動かすたびに照明を反射させてピカピカ光る。彼のボキャブラリーに“ラメ”というストックは無い。
「ミラーボールが回ってる日には死んだ人に会えるんだって」
「なんだそれ」
なんだそれ。彼も心の中で呟いた。まるで田舎の言い伝えじゃないか。小学校の頃に住んでいた町にも似たような噂があった。風習と言った方が良いのかもしれない。正確には覚えていないが、山に登って何だかを探すのだ。その間誰も口を聞いてはならない、だったか。
彼は二十年前から売れない小説家だった。売れないと言ってもアニメや映画にならないというだけで、映像にするには難しい非現実的な世界観が読者からは人気がある。
彼女が出版社への就職を望んだのも彼に会いたいが為だった。その一心で有名難関大学の文学部に進んだ。
初めて彼の著書を読んだのは中学生の頃だ。夏休みの終わりに読書感想文を書く為の本を探していた。他の問題集だの自由研究だのは早々に済んでいるのだが、どうしても読書感想文だけは苦手で毎年最後まで手が付けられずにいた。
出向いた本屋の隅で平積みされていた彼の文庫本が目に入り、夜空の色と金魚の赤いカバーが好みだったので購入した。名前も知らぬ作家だった。
当時はインターネットなんて無かったから、彼女の知る彼は生年月日と、作者紹介の写真の顔だけだ。整えられていない太い眉とキュッと締めた口角。カメラを睨む視線からも緊張感が伝わってくる。精悍な顔立ちに実直さを感じた。新聞を見ていて偶然ラジオ出演するのを知った日は二時間も前からドキドキしながらラジオの前に正座した。浮ついたところのない声と穏やかな話し方を聴いて以来、彼は彼女の「理想の人」になった。
「遠藤先生は天才ですよ」
彼女がどうしても伝えたい言葉だった。その為に頑張って勉強をして大学に入って就職をした。
「先生の書く
それが無ければどうやって生きて来れただろう。そんな風に言われて、彼女から慕われることには困惑する気持ちが大きかった。
「今はこうだけどさ、年を取って俺がボケたりしたらどうするの?」
いつだったか、とても困惑した様子で遠藤は言った。自分は二十歳も年上で君は若い。彼女は少し考えてから静かに答えた。
「そんなもんツッコむしかないじゃないですか」
彼は大笑いをした後で結婚しようと言ってくれた。それまで生きてきて、これほど幸せだったことは無いんじゃないか。そう思っていたのに彼女にとっての結婚生活はもっと幸せになる。
「るみちゃんが良いならいいよ」
それが彼の口癖であったし本心でもあった。彼女の望むことならば何でもしてあげたいし喜ぶ顔を見たいと思っていた。しかし彼女は、彼の考える若い女性のそれとは違って質素とまではいかないが慎ましい生活を望んだ。たまに会社が連休にでもなれば温泉へ行くのが一番の贅沢だと考えている。奮発してブランドのバッグや指輪をプレゼントすれば目をキラキラさせて喜んだが、自分から欲しがることは一度も無い。彼は自分にそういったセンスがあるとは思えなかったので、何か欲しいものはないかと聞いても答えは一つだった。
「だったら、美味しいものでも一緒に食べに行きましょう」
彼女の作ってくれる料理は美味しくて満足だったのに、それを口に出して言ってしまえばケチ臭いだとか家事を強要していると思わせてしまうことにも怯えていた。何かのきっかけで彼女の心が自分から離れてしまうことを彼は常に恐れていた。それもあって彼女の提案する通り二人で出かけて行き美味しいものを食べに行くが、それでも彼女の作ってくれる味噌汁が一番好きだった。彼にとってはソウルフードとなっていた。
彼女と出会って文字しかなかった自分の人生に光が差したのだ。色づいたと言うべきなのか、とにかく世界が明るくなった。子供を授かったと聞かされた日のことを彼は忘れられない。体調が悪くて珍しく会社を早退したとメールが入ったのは出会ってから二年目、結婚してから一年半が経った頃だった。彼は打ち合わせで都内に出かけていて、その後の予定を決めかねていた。食事でもどうかと誘われていたし、彼女も行ってくれば良いと言ってくれていた。せっかくなので彼もそうするつもりではいた。相手は人づきあいの苦手な彼にとっては胸襟を開いて話せる数少ない仕事仲間である。相手に迷惑でなければ友人と呼んでも差し支えない同世代の男性だ。事情を話すと彼は快く「じゃあ、また次回」と答えてくれた。彼はカメラマンをしながら経営者でもあって、自宅に帰るのも一カ月に一度あるかどうかという忙しさである。そんなストレスから難聴を患っていた。
「俺も久しぶりに帰ってみるよ、せっかくだから」
「すまんね」
慌てて帰ると家の中に熱気が充満していた。クーラーも付けずに窓を開け放った部屋に、ぐったりと横たわる彼女の姿があった。傍によってみると顔色は蒼白で指先は冷たい。呼吸の音が聞こえなければ即座に救急車を呼んでいたと今でも思う。ほっとして頬に触れると目が半分開かれた。寝ていたわけではないようだ。気分の悪い時に話しかけるのも忍びなく、水でも汲んで来ようかと立ち上がろうとすると彼女が腕を引っ張った。
「大事?」
そう聞こえた。声は掠れていたし小さかったが確かにそう聞こえた。もしかしたら「大丈夫?」と言ったのかとも一瞬だけ考えたけれど。
「大事だよ。当たり前だろ」
俺を信用できないのか。いや、できないよね。君に誇れるものなんて何も無い。
「赤ちゃんいる」
いつか寒い夜に二人で飲んで帰った時、彼の天然パーマが暖かそうだから中に入らせて欲しいと彼女が騒いだことがあるのを思い出していた。
「そんなことあったっけ?」
「あったよ。会社の飲み会から帰って来て」
「あ、あったかも」
彼女も思い出した。なんだか小鳥になったようなつもりで、入ってみたのを想像したら暖かくて柔らかくて心地いい気がしたのだ。
「先生の頭の中を覗いてみたいって思ってたんですよ」
本当に数え切れないほど何度も考えていたことだった。
「先生は天才です」
「るみちゃん」
もう何年も前の話だ。少し距離の縮んだ二人は飲む約束をしていた。彼女は有給休暇を取ってスタンバイしていた。楽しみな余り眠れなくて、しかもいつもよりも早く起きてしまい昼間から風呂に入った。ところが昼になり先生から電話が入った。風邪で発熱したため延期にしてほしいとのことだった。辛そうな声で先生は何度も謝罪の言葉を述べた。
「先生、今まだ外ですか?」
車の音が聞こえていた。電話の向こうは屋外で間違いなさそうだった。
「そうだよ」
「うちに来てください」
「えっ!」
「無理なら私が行きます。ご飯作ったらすぐ帰りますから」
前に何人かで飲んだ時に送ってもらったので家は知っている筈だった。家にまで来られては困ると思ったのか先生は承諾してくれた。
「困るなんて思ってないよ」
「でも困った顔してる」
タクシーで到着した先生は青い顔を少し上気させて怠そうで、いささか目が虚ろだった。
「ご飯食べますか?先お風呂入りますか?ああ、メンズの着れる服が無かった!」
「それは良いことだよ」
先生はお風呂から出ると、つんつるてんの寝巻を着て、土鍋で作ったクッパを残さず食べてくれた。薬を飲むと前回と同じように本棚から少女漫画の続きを出して読みながら、そのうちに眠ってしまった。時々“パタン”と閉じる風圧と音で目が覚めて再び読み始めるが、それを三度も繰り返すと目を覚まさなくなった。
それから私は押しかけ女房になった。思い出が押し寄せる。
「俺が死んでも、るみちゃんは一人で生きていけそうだからそんなに心配してないよ」
「ダメです。約束して。その時は一緒に連れていってください」
「―――わかったよ」
るみちゃんが良いならいいよ。
そう言ってくれていたのか、その場しのぎなのかは解らない。それでも嬉しかった。先生を失うなんて私の人生の終わりと言っても同じだから。
事実は小説よりも奇なりと彼は照れくさそうに頭を掻いた。
「本当に来てくれるとは」
先生の大きな手が私の頭を撫でる。
「良かった、触れるんだね」
「うん。あったかい」
先生のゴツゴツした手が大好きだった。その手が頬に触れる。もっと一緒にいたかったと思うのはきっと我儘が過ぎる。私は先生に会えただけで幸せだった。その為に生きてきて、伝えたかった思いもだいたいは告げることができた。
「お嫁さんにまでしてもらって」
先生の顔に触れてみる。もともと白い肌は日に当たらないからか真っ白だった。薄く浮かぶシミですら愛おしい。無精髭がチクチクする。
「約束を破らせてしまってごめんなさい」
「るみちゃん」
それなりには女性と交際したこともあった。ただ、母親の闘病を考えると介護を前提とした結婚なんてできない気がした。相手を信じ切れなかったこともあるかもしれない。そんなことを言っている間に四十も半分を過ぎた頃だ。母親を看取り、あとは自分の最期をどうしようかと思い始めた時に現れたのが彼女だった。眼鏡をかけて凛々しいスーツ姿に艶のある黒髪。睫毛が濃いのが印象的だった。落ち着いた低い声で話す。
彼女は若いだけでなく美しい。頭も良く優秀な上に明るく素直な性格をしていた。それなのにとんでもないおっちょこちょいだった。誰が放っておけるというのか。悩んだ末に自分のような者は諦めるしか道は無いに違いない。きっと彼女には条件の良い若くて相応しい男が幾らでもいる。社会に出て働いたことの無い彼には劣等感も大いにあった。
「俺の方こそ結婚なんて諦めてたのに、父親にまでならせてくれて」
「あの子たちは元気ですか?」
「うん。手に余るほど元気だ」
彼女は二卵性の双子を産んだ。男の子と女の子だった。自分は天涯孤独にならずに済んだ。そんなことは問題ではない、彼女と子供達と過ごした時間は言葉には表せないような幸せなことだった。
双子が五歳になろうかという時だ。彼女に限って目を離した隙など無かった筈だ。ただ、近くで車椅子の老人が困っていたようだったと聞いている。
「ここで待っててね。絶対に何処へも行ってはダメ」
そう言い残して双子に手を繋がせて場を離れた。ショッピングモールから帰るところだった。車椅子の老人がエレベーターに向かう途中の通路で、階段側に寄ってしまっているのが駐車場から見えた。それを何とかしようと彼女は老人に駆け寄った。その日は雨だった。そうだ、彼女には水難の
「お盆には帰って来てるの?」
「もちろんですよ。ちゃんと迎えてくれてるじゃないですか。あ、これネタにしてくれて良いですよ」
「しないよ」
第三子を身籠っていた彼女は頭部を庇わずに、二度と息を吹き返すことは無く永遠の眠りについた。
「子育てを押し付けてしまって申し訳ないです」
彼女は頭を下げる。
「大丈夫だよ。義姉さんが協力してくれるから」
確かに大変だった。大変だったなんてもんじゃない。物心がついていたこともありママに会いたいと子供達に泣かれでもすればこっちも泣きたくなった。俺だって会いたいよ。でも子供たちは大事で愛しい。命に替えても守らなくてはならないと思うのに、いい年をして自分は未熟でどこを向いても不安で仕方なかった。子供たちのことが可愛い分だけ、また失ってしまうようなことがあればと考えて怖くなってしまうこともある。彼女の存在がどれだけ頼もしかったことか。それを失って心細いことか。自分の身の回りのことすら全て彼女がやっていてくれていたのだという、当たり前になっていた幸せが身に染みたのも後になってからだ。
伝えきれなかった感謝の気持ちが目から溢れてきてしまう。今までだって何百回ではきかないほど人知れず泣いただろう。
「君は若いままだ」
二十代後半の美しい姿のままだった。それなのに子供たちも春には高校生になる。 まだ二人でいた頃は、週末になると時々こんな風に彼女の会社帰りに待ち合わせをした。うんと昔に解散してしまったバンドのメンバーが出るアコースティックライブを聴きに行ったり、結婚してからはそのまま電車に乗って温泉に出かけることもあった。幸せだった。子供たちのことに必死でそんなことを思い出すことも無くなっていた。
「るみちゃんが俺の人生に電気を
母親の生きている時に出会っていたかったと思ったこともあった。母親を安心させられたかもしれない。少しは子供たちのことも楽なのではないかと考えてしまう日もある。どうしようもないのに溜め息が出るし泣いてしまいそうになる。
「また会いましょう」
彼女の手が頬に触れる。猫の手と笑った小さな手だ。俺を救って子供たちを泣き止ませて、最後に車椅子の老人を助けた魔法の手。ほんのりと光を帯びて透けているみたいに見える。
「わたし待ってますから。先生の孫とかに早まって生まれて来ないように、待ってる」
「君はおっちょこちょいだからな」
彼女が鼻に皺を寄せて笑う。その顔がチャーミングで見ていたいのに視界がぼやけてくる。涙のせいなのかは判らない。
「またね、先生」
「るみちゃん」
「私、トモさんに会えたから幸せだった」
懐かしい髪の匂いがする。「大事?」と何度も確認してきた日を思い出している。なんと答えたのか全部は思い出せない。照れてはぐらかしたこともあったと思う。でも大事だったことだけは間違いないから、それは憶えている。カメラマンの友人が撮ってくれた写真ばかり浮かんでくる。毎朝必ず見ているから目に焼き付いていた。美人の顔に人懐っこい笑顔。
「うん、ありがとう」
それ以上は何も言えなかった。俺の方がそうだよとか、伝えたいことはあるのに時間が無いのは解っていたから。
「お父さん!」
彼女と似た温もりが体当たりしてきて我に返った。二つ分の威力に吹っ飛ばされそうになりながら、なんとか軸足で持ち
「こら、君たち何時だと思ってるんだ」
そうだ、元はと言えばこの子らが話しているのを聞いたからだ。ミラーボールの回る日は云々というやつだ。同様に盗み聞きした、打ち合わせで使ったファーストフード店で女子生徒の会話を信じるも何も藁にも
「お母さんに会えたの?」
るみちゃんに会いに行くなんて二人には話していなかったのに、どうやら誤魔化せていなかったらしい。定期的に飲みに出かければ何か思うところはあったのかもしれない。
「会えたよ」
そう答えると何も言わずに頷いた。俯いたと言う方が近いかもしれない。随分と健気な子にさせてしまった。娘の顔は残念ながら自分に似ていると思う。しかし性格は彼女にソックリだった。目に浮かべた涙になど気付いていませんとでも言いたげな気丈な眼差しで見上げてくる。その髪を撫でた。
「僕も会いたかった」
泣くのを隠そうともしない息子の女々しさと気の弱さは自分にソックリだ。顔が彼女に似ているのは息子の方だった。抜け駆けしてしまった後ろめたさが込み上げて喉に詰まった。君たちだって会いたかったに決まっているのに。
「また会おうって。君たちのこと気にかけていたよ」
それからお盆には赤ちゃんを連れて帰ってきているなんて涙なしには語れなかった。結局ふたりの前で泣いてしまうのだったら一緒に連れて行けば良かったのだろうに。
「タクシーに乗ろうか。家に帰ってから話そう」
「明日は学校休んでも良い?」
そんなことを口では言っても休んだりしないことを私は知っている。子供らを信用していたが、かといって無理をさせようとも思っていない。今日は特別な日だった。
「どうしても起きるのが難しかったらそうしなさい」
「「はい」」
捕らわれたように見えるかもしれないけれど両腕に温かさを感じる幸せを噛み締めていた。君が作ってくれた幸せだ。コンビニでアイスでも買って帰ろうか、君の帰る場所を自分が生きている限りは守るって決めてるんだ。るみちゃん、だから心配しないで待っていてくれ。
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